Reborn

52/73
前へ
/73ページ
次へ
茉子が泣きやんだのを見計らうように、お茶を飲んでいたお爺さんが言った。 「あんたらは、あれか。2人旅をしとんのか?自転車で」 ロッキーが、笑いながら 「2人旅か。まぁ、そんな感じです」 とアジに苦戦している茉子を見て言った。 「ここいらは風が強いで大変やったじゃろ?この自転車乗ってくるんは」 「はい。大変でしたけど、楽しかったです。こうやって、美味しいアジにもありつけた訳ですから」 と、彼は合掌した。 「ほんに旨いアジやった。坂木さん家の干物かなぁ?これは。あそこはイカも旨いで帰りに買って行ったらいい」 「はい。ありがとうございます。自転車まで直してもらって、ご飯までご馳走になっちゃって」 彼は饒舌に喋りながら、会計を済ませた。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加