Reborn

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「どこに、行くの・・・・?」 ロッキーに聞こえるか聞こえないかの声で茉子が言った。 風が、彼のTシャツの中に入り込んで膨らむのを茉子の背中と腕が阻止する。 黄色い相棒は軽快に楽しげに海沿いの坂道を急降下して行く。 「しっかり掴まって!」 彼の声が彼の背中から聞こえる。 「んっ・・・・」 重力に耐えながら2人は抗う事なく黄色い相棒の行く方向に身をゆだねた。 黄色い相棒が空に向かうなら空に。 黄色い相棒が海に向かうなら海に。 私たちは黄色い相棒が人間だったら迷わず彼に従っただろう。
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