Reborn

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夜の公園は新緑が呼吸しているような独特な匂いがした。 確実に夏が近づいているのだ。 ブランコに座ったのなんて何年ぶりだろう? 高校生以来だとしたら、何十年ぶりとかになる。 茉子とロッキーは公園のブランコに隣同士に座って弁当を食べていた。 「あの部屋臭すぎるだろ」 紅鮭に箸を入れながら彼が失笑した。 「先輩ってどんな人?」 茉子が何気に聞いた。 彼はしばらく黙って紅鮭を食べていた。 何か、詳しくは話せない間柄なのかもしれない。 弁当を半分ほど食べたところで彼がやっと話し始めた。 「施設の先輩。児童養護施設の」
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