Reborn

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それは恋人が恋人に、というよりも息子が母親に、というほうが相応しい言い方だったが茉子はこの期に及んでまたドキドキした自分を恥じた。 そんな自分の気持ちがバレないように、極めて自然に 「お先にどうぞ」 と茉子は振り向きもせずに言った。 ロッキーの 「おー!風呂ひろいー!」 と無邪気にはしゃぐ声が聞こえてきた。 そりゃぁ、皆2人で入るんだから広いでしょうよ、と茉子は心の中で軽く突っ込みを入れた。 「お腹すいたなー」 無駄にお洒落なガラステーブルにあるメニューを開くとレストラン並みの料理の多さにビックリした。 これは、1人じゃ決められないな。 茉子は躊躇いながら風呂場までメニューを持っていった。 「ロッキー。お腹すかない?何か頼もうか?」 磨りガラス越しにメニューを押し付ける。 シャンプーをしているのか 「あん?」 と言ったっきり反応がない。
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