Reborn

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茉子はロッキーの頭を小突く真似をして 「大人をからかうんじゃないのっ!」 と怒って見せた。 「だってここ、そういうとこじゃん」 「そうだけど」 「しても良い場所じゃん」 「何が言いたいのよ?」 ロッキーは少し考えて 「死ぬ気になれば、普通は破れかぶれになって、そういう気にならないもんかなって」 とわりと真面目に言った。 なるほど。 確かに、そうかもしれない。 明日、どう生きても自分が死ぬんだと分かっていたなら。 破れかぶれになるのが普通の人間なのかもな。 でも。そうはなりたくないし、なれないんだよ、私は。 茉子は彼がくれたお情けの唐揚げをパクッと口に入れて 「世の中は広いんだよ、青年。君が知ってる女の人が全ての女の人の代表じゃないんだよ」 とわざと偉そうに言ってやった。
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