Reborn

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「答えたわよ。次は私の番ね」 茉子は気を取り直して明るく言った。 「今までで本気で愛した人はいる?」 茉子は極論を投げかけた。 ロッキーは誰かを本気で愛した事はあるのだろうか。 かなり悩む質問を投げたつもりだった。 けれど、間髪いれずにロッキーは言った。 「いるよ。すごく好きだった」 好きだった、と言った時の彼の目がどこか遠くを見ていた。 懐かしいような、切ないような、そんな目だった。 「誰?どんな人?」 「質問は1つずつ。じゃ、次僕の番ね」 彼は、う~ん、と少し考えるポーズをして 「死にたいのは、病気のせいだけ?」 と聞いた。 「どストライクだね」 と、茉子はビックリした顔をして見せた。 本当はビックリなどしていない。 きっと聞かれるだろうな、と思っていたから。
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