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ロッキーは微笑んだ。
優しい、すべてを包み込むような笑顔で。
こんな質問をして、この反応は正直意外だった。
困った顔をするのかな、と予想していたから。
ロッキーは言った。
「死んだんだって。僕の両親も」
「死んだ・・・・?」
「飛び降り自殺だって。一家心中。まぁ、僕だけ生き残ったみたいだけど」
茉子は言葉が出なかった。
ああ、だから、児童養護施設。
点が一本の線で繋がる。
「だから目の前で、人が死んでるのを僕は見てるはずなんだ。だけど記憶には残ってないんだよね。まだ小さかったってのもあるけど。あの時、ロジャーを見て、ほんとは・・・」
と、彼は言いかけて
「喋りすぎたな。次、僕の番ね」
と真剣な顔をして、彼は言った。
「今夜、抱いてもいい?」
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