Reborn

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涙が、でた。 「まさか泣くなんて」 ロッキーが笑った。 「だって・・・・」 茉子はこの感情をどこに持っていっていいのか分からなかった。 生きている。 心からそう感じた。 自分が生きていると実感した事に涙が溢れてくる。 彼とこうなった事で茉子は生まれて初めて命の尊さを知った。 「食べる事も眠る事も生きるには必要不可欠だけど、こういう事も生きてるんだなって思うよ」 ロッキーが天井を見ながら言った。 こんなオバサン相手に、と茉子は言おうとして、やめた。 彼が自分を抱いた時点でオバサンかどうかはきっと関係ないのだ。 これが単なる"流れ"でそうなったのだとしても。 茉子は目を閉じた。 私は今、生きているのだ。
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