Reborn

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彼は、ここに住んでいるのだろうか? こざっぱりした部屋は目立つものが何も無くて、生活感が感じられなかった。 夕陽が沈んで、急に闇に包まれていく。 部屋の中は薄暗く、電灯もない。 茉子は怖くなって、床に敷いてある毛布にくるまった。 懐かしい匂いが鼻をつく。 その匂いは、さっきまで一緒にいた彼の匂いだとすぐにわかった。 それに気づいた時、茉子は少しだけ罪悪感みたいな感情になる。 男の子を男性として意識した自分を恥ずかしく思ったのだ。 「やだな、こういうの」 1人、呟いて茉子は横になった。 部屋が薄暗いせいか、今日1日いろんな事があったせいか、茉子はそのまま眠ってしまった。
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