門番のいない夜

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 政略結婚を初めに提言した人は今すぐに名乗り出てほしい。  国王である父に結婚の話を持ちかけられたとき、一番に思ったのはそんなことだった。 「悪い話じゃなかろう。隣国アクアルークの第一王子、ルシウェル殿だ。今後の国交を考えれば、断る理由もあるまい」  その名前はリリィも聞いたことがあった。なんでも、周りを海に囲まれた国であるアクアルークに、他国との交流を運んだ人だとか。政治にも精通しており、国王に唯一意見できるのも第一王子であるルシウェルなのだという。  そしてこれはあくまでも噂なのだが、ルシウェル王子は見目も良いらしい。顔も良く、頭も良く、王家に生まれ育っているのだから身分も間違いない。  そんなルシウェルとの結婚話が、どうして自分にきたのか分からず、リリィは父に問いかける。 「ありがたいお話ですが……なぜ私などに結婚の申し込みをされたのでしょう」  リリィは王家の生まれだが、第三王女である。それに王家といっても、大国アクアルークとは比べものにならないほどマリエールは小さな国だ。  マリエールからすればまたとない政治的な繋がりを得る機会。しかし、アクアルーク側に利点があるとは思えないのが正直なところだ。  リリィの問いかけに、国王は眉をひそめ、小さく呟いた。 「一目惚れだそうだ」 「えっ?」 「先日ルシウェル王子も参加されるダンスパーティーがあっただろう。そこでリリィ、お前に一目惚れをしたそうだ」  政略結婚じゃなかった。  リリィが一番に抱いた感想はそれだった。否、父が国交のことを考えているのは間違いないが、相手方は政治的戦略ではなく、純粋に恋心から求婚してくれているのだ。 「それは……なんというか、ありがたいお話ですね」  言葉に困り、リリィが愛想笑いを浮かべながらそう答えると、父は国王としての言葉を口にした。 「相手はあのアクアルークの第一王子だ。受けてくれるな?」  第三王女であるリリィに、拒否権などあるはずがなかった。 「…………はい」  退がっていいぞ、と言われ、深くお辞儀をした後部屋を退出する。廊下で待っていたのは、リリィに幼い頃から仕えてくれているグレイだ。 「リリィ様、お部屋までお連れします」 「ええ、ありがとう」  グレイの背中を見つめながら、いつもより重たい足取りで部屋へ向かう。俯いた目線の先では、落ち込んだ気持ちには不釣り合いな、薄ピンク色のドレスがひらひらと揺れていた。  部屋で一人になりたい、と言ってからどのくらいの時間が経っただろう。太陽が眩しかったはずの窓からは夕日が覗いていて、時間の経過を教えてくれる。  こんこん、とドアをノックする音。どうぞ、と応えると、グレイが失礼しますと言いながら部屋へ足を踏み入れた。 「……何かあったのですか」  従者であり、幼馴染であるグレイは、リリィの些細な変化にも気が付いてくれる。心配そうな表情でリリィの顔を覗き込む彼に、リリィは頰が熱くなるのを感じた。 「お父様に……結婚のお話をされたの」  本当は、こんなこと言いたくなかった。でも、誰よりもグレイに聞いてほしかった。  相反する二つの感情がぶつかり合い、リリィは小さな声で呟いた。  驚いたように見開かれる目。その目の奥の感情を読み取りたいのに、いつも通り彼はそれを隠して笑う。 「おめでとうございます。相手はどなたですか」 「アクアルーク国の第一王子、ルシウェル様よ」  一目惚れ、と言っていたから、きっと一度は顔を合わせたことがあるのだろう。それとも遠目に見ただけなのだろうか。  どちらにせよ、リリィにとっては同じことだった。知らない男との婚約。そんなもの、めでたくも何ともない。 「ルシウェル王子ですか。それは素晴らしいですね」  彼の方は多方面に精通していて、お優しい方だと噂に聞いております、とグレイは言った。 「きっとリリィ様のことも大切にしてくださいますよ」  やわらかな笑みで告げられた言葉に、ずきん、と胸の奥が痛む。 「それだけ?」 「はい?」 「本当に思うことは、それだけなの?」  勇気を振り絞って問いかけたその言葉は、広い部屋へ静かに消えていく。  もっと他の言葉がほしい。  例えば、結婚しないでほしい、とか。引き止めるような言葉が。  従者という彼の立場上、口が裂けても言えないであろうことを重々承知の上で、そんなことを願ってしまうのは、リリィがわがままだからなのだろうか。  幼い頃は楽しかった。  リリィ、と舌足らずの声でグレイは呼び、リリィも彼のことをグレイさま、と呼んでいた。貴族でもない彼のことをそんな風に呼ぶのはおかしい、やめなさい、と母に叱られたけれど、リリィには関係がなかった。  だってリリィにとって、身分など関係ない、グレイはたった一人の王子様だったのだから。  現実を突きつけられたのは、八歳になったときだった。  リリィがいつものようにグレイさま、と彼を呼んでいるところを、彼の親に見られてしまったのだ。グレイの両親は、国王と妃に仕える立場だった。そんな親たちが、王女を呼び捨てにすることも、まして王女が自分の息子を敬称で呼ぶことなど、許してくれるはずもない。  折檻されたのは、リリィではなくグレイだった。  腫れた頰を押さえながら、彼は微笑み、リリィ、といつものようにリリィを呼んだ。その日からだ、グレイのことを呼び捨てするようになったのは。  グレイも最初は戸惑っていたが、まもなくリリィ様、と呼ぶようになった。二人の間に、初めて壁ができた瞬間だった。  恋も自由にできないならば、王女になんて生まれたくなかった。  普通の家の女の子として生まれていれば、リリィはグレイに想いを伝えることが許されたのだ。それなのに、ただ一つ、王家に生まれたという枷があるだけで、告白することは叶わない。  グレイはしばらく黙っていたが、沈黙を破り、優しい声で先の問いに答えた。 「リリィ様の結婚は喜ばしいことですよ。叶うのならば、生涯お仕えしたいと思っておりますので、アクアルーク国までお供させていただきたいですが」  それは難しい話のように思えた。  他国の王子と結婚するとき、女性の従者はたくさん連れていくしきたりがある。しかし、異性の従者、それもたった一人、特別な相手を連れていくのは、失礼に当たるのではないだろうか。 「お父様に訊いてみるわ」  頑固な父が頷くところは想像出来なかったが、リリィも親譲りの頑固者だ。どうにか粘って、グレイを従者として連れていってみせる、と決意した。  しかしそう上手くはいかないのが世の中だ。  リリィのグレイに対する恋心を知っている国王は、当然のように反対した。 「嫁ぎ先に男性の従者を……それもグレイを連れていくだと? 無礼にも程がある!」  リリィの言葉を最後まで聞くことなく、父は声を荒げる。 「性別なんて関係がないわ。幼い頃から私に仕えてくれているグレイを連れていくことの、どこに問題があるのよ」 「お前の気持ちに問題がある!」  好きなんだろう、グレイのことが。  直球に問いかけられて、リリィは言葉に詰まった。その沈黙が答えになった。 「万が一にもルシウェル殿に対し失礼があってはいけない。グレイを連れていくことは絶対に許さん」 「失礼な態度なんて取るわけがないわ。グレイは私の従者よ、絶対に連れていくわ」 「許さん」 「連れていくの」  二人の言い合いは平行線になった。どちらも意見を譲ることなく、時間ばかりが過ぎていく。  そのうちに国王は怒りを露わにし、グレイをこの場に連れて来いと声を荒げた。  廊下で待機していたグレイは、自分が呼ばれた用件を分かっているようだった。もしかしたら、部屋の外まで言い争う声が漏れていたのかもしれない。はしたなかったかしら、とリリィは反省する。 「グレイ。お前はリリィの嫁ぎ先、アクアルークまで着いていきたいのか」 「……はい、国王陛下。叶うならば、リリィ様を生涯守り抜き、お仕えしたいと考えております」  その言葉に、胸の奥がきゅんと鳴いた。王女とその従者。こんな関係でなければ、グレイはリリィのことを一人の男として守り抜き、愛してくれたかもしれない。そう思ったのだ。 「ではグレイ。お前はリリィのことをどう思っているんだ」 「お父様!」 「リリィ、お前は黙っていろ」  父の質問に思わず声を上げたが、厳しい牽制が入る。  そんな質問しなくていいのに。答えは分かっているのだから。  守るべき姫君だと思っております、だ。幼い頃からリリィに仕えてきた彼は、そう答えるようにと両親から教えられてきたのだと、リリィは知っている。  分かっていても聞きたくない。俯いた先でドレスが揺れる。裾まで繊細なレース生地をあしらったそれはとても気に入っているけれど、こんなものには何の価値もない。  リリィにとって大切なのは、グレイただ一人なのだから。 「無礼を承知で申し上げてもよろしいでしょうか」  想像していなかった言葉に、リリィは顔を上げる。髪が揺れて、ふわりと甘い香りが漂った。 「構わん、言ってみろ」  国王の言葉に、ありがとうございます、と深々と頭を下げたグレイは、少しの沈黙の後、こう言った。 「私はリリィ様のことを、守るべき姫君だと思っております」  予想通りの言葉。これのどこが無礼なのだろう。  少し期待してしまっただけに、がっかりしてリリィが肩を落とすと、グレイは言葉を続けた。 「そして同時に、一人の女性として愛しています」 「……えっ」 「分不相応な発言、申し訳ありません」  愛している、グレイがリリィのことを?  驚いて彼の顔を見ると、見たことのないような真剣な表情で、国王をじっと見つめていた。  その表情で、彼の発言が嘘偽りのない本心なのだと理解した。リリィは意を決して、震える声で訴えた。 「お父様、私もです。私もグレイのことを愛しています」  この恋が、叶うなんて思っていない。身分の違う二人が結ばれることはないのだと、大人になったリリィは知っている。  それでも、言わずにはいられなかった。 「グレイと結婚したいとは申しません。国交のためならルシウェル王子との結婚も喜んでいたします。でも、アクアルークへのグレイの同行を許してはくださいませんか」  側にいられるだけで十分なのです。  そう伝える頃には、涙まじりの声になっていた。  こみ上げてきた涙をそっとハンカチで拭い、リリィは国王を見つめる。その真紅の瞳はリリィのそれにそっくりで、この人は自分の父親なのだと思い知らされる。 「リリィ」  名前を呼ばれ、小さく返事をする。声が震えるのは、緊張のせいだ。今まで父に逆らったことなど一度もなかった。言われた通りに生きてきて、自分の意志を告げようともしなかったのだ。  それが今はどうだろう。結婚という大きな節目を前にして、リリィは初めて父に意見していた。  心臓がバクバクとうるさく鳴る。どうかこの音が国王の耳には届きませんように、と願いながら、ドレスの端をぎゅっと握った。 「グレイをアクアルークへ連れていくことは許さん」  眼前が真っ暗になったような、そんな気がした。  勇気を振り絞って意見したことも、国王の前では無駄だったのだ。  ほろほろとこぼれ落ちる涙を見て、グレイが隣で息を飲む。それでも涙は止まらなかった。  結婚と同時に、この優しい人とお別れしなければならない。  その事実がリリィの胸を突き刺した。  ふいに、父がそういえば、と声を上げる。もう何もかもどうでもよかったが、反射的にリリィは顔を上げた。 「今晩は久しぶりに門番たちを労おうと思っていてな、宴を開くのだ。夜の十時頃から日が変わるまでの間は門番たちがおらんから、グレイはしっかりリリィを守ってやってくれ」  その言葉を理解するのに、数秒の時間を要した。グレイも同じだったようだ。  父の言葉の真意に気が付き、二人は同時に顔を見合わせる。グレイの目は希望に輝いていた。 「かしこまりました、国王陛下。必ずリリィ様のお側を離れないことを誓います」 「…………お父様」  リリィが呼びかけると、国王は父の顔をして何だいと応えた。 「私、お父様のことも愛しているわ。本当よ」 「ああ、知っているとも。リリィ、私もお前のことを誰より大切に思っているよ」  言葉はそれだけで十分だった。国王の間から退室し、グレイと共に自室へ帰る。いつもは女性の従者が身の回りの世話をしてくれるが、今日は全て断った。 「グレイと二人にして」  誰も入ってはダメよ、と言い残し、分厚い扉を閉める。グレイは戸惑ったように、この状況は変な勘違いをされるのではないか、と言ったが、リリィは扉を開けようとはしなかった。 「グレイ。お父様のお話、どう思った?」  首を傾げて問いかけると、グレイは眉を下げ、困ったような声を上げた。 「私はリリィ様のアクアルークへの嫁入りに同行できない、とそういうことでしょう」 「違うわ。その後の話よ。お父様、言っていたわよね。今晩は門番がいない、と。あれは私たちに逃げてもいい、と言ってくださったのよ」  グレイだってそういう意味に捉えたはずだ。だからこそ、目が合ったとき、嬉しそうな表情をしていたのだから。 「違いますよ。そのままの意味です。門番たちを労うための宴を開く、危険だからその間は私がリリィ様の側を離れずお守りするように、と」 「嘘よ。どうしてさっきまではあんなに嬉しそうな顔をしていたのに、急に手のひらを返すの?」  グレイと二人なら、リリィはどこにだって逃げる覚悟はできている。グレイが頷いてくれるなら、今すぐこのドレスを脱ぎ、全てを捨てて家を飛び出すのに。  グレイが駆け落ちをしようと言わないのは、きっと優しさなのだろう。もしも二人で王宮を出たならば、今まで通りの生活は出来なくなる。貧しい思いもするかもしれない。グレイはそういう苦しい思いをリリィにさせたくないのだ。  そのくらいはリリィにも分かる。だって好きな人のことなのだ。  でもその優しさが今はただ苦しい。ただ一緒に逃げてくれれば、側にいてくれればそれだけで十分なのに。 「リリィ様、どうか分かってください」 「分からないわ。グレイと私は愛し合っているのに、どうして結ばれてはいけないの? お父様がくれた、最初で最後のチャンスなのに」  もしも父が、あんなことを言い出さなければ、リリィは聞き分けよくアクアルークへ嫁入りしていただろう。なぜならば、それが国のためになるからだ。  でも国王である父は、国政よりも娘の幸せを選んだ。国王としての自分よりも、父としての判断を優先したのだ。 「身分が違いすぎます。リリィ様はこの国の第三王女、私はリリィ様に仕える身ですから」 「王宮を一歩出てしまえば、身分なんて関係ないわ」  頑固なリリィの態度に、グレイは困り顔を浮かべながら、でも、と続ける。 「覚悟はおありですか」 「覚悟?」 「平民として生きていく覚悟です」  きらびやかなドレスも、ふかふかのベッドもない。身支度を整えてくれる侍女もいない。  食事だって自分で用意しなければならないし、豪華な食卓とはいかないだろう。食べ終わったら片付けもする必要がある。王女として生きてきたリリィにとっては、何もかもが初めての経験になるだろう。  ときには寒さに震える夜があるかもしれない。毛布一枚で凍えながら過ごす日があってもおかしくはない。  王宮での何一つ苦労のない生活から、一変した貧しい暮らしに、耐える覚悟はあるのか。グレイはそう訊いているのだ。 「覚悟ならあるわ」 「王宮での優雅な暮らしとは比べ物にならないほど、苦しい生活をすることになってもですか?」 「グレイ、あなたといられるなら、どんな困難にも耐えてみせるわ」  強い覚悟を持って、リリィがはっきりとした口調で告げる。グレイはしばらく黙っていたが、ふっと笑みをこぼし、そうですね、とやわらかく呟いた。 「リリィ様ならそうおっしゃると思っていました」  そう言って微笑んだグレイは、幼い頃と同じ優しい笑顔だった。  ドキン、と胸が高鳴る。期待に満ち溢れた瞳で彼を見つめると、グレイは静かに頷いた。 「リリィ様」  真摯な目が、どこまでも真っ直ぐにリリィを見つめる。覚悟を決めた彼の表情は、凛としていた。 「私と一緒に、ここを出てくれますか」  片膝を床につき、左手を差し伸べるグレイ。リリィの目に涙がじわりと浮かんだ。そっとその手に自分のそれを重ね、ぎゅっと手を握る。 「喜んで」  微笑んで言葉を紡ぐと同時に、ぽろ、と涙がこぼれた。  身支度には少し時間がかかった。  ドレスは脱ぎ捨てて、シンプルな服に着替える。これが一番時間がかかったかもしれない。なぜなら、リリィの部屋にあるのは豪華なドレスばかりなのだから。侍女の服を借りて着替えてみると、別人になったような錯覚を覚えた。  荷物は必要最低限のものだけをグレイがまとめてくれた。小さな鞄を持ち、目立たないようにマントを被る。そうして二人は王宮の外へ出た。  父の話通り、いつもはいるはずの門番はいなかった。代わりに番犬がいたけれど、リリィとグレイの匂いを覚えているのか、吠えられることはない。大きな犬の頭をそっと撫でて、リリィはさようなら、と呟く。  この門をくぐれば、もう引き返すことはできない。躊躇したのは一瞬だけだった。 「行きましょう、グレイ」 「本当にいいんですね、リリィ様」 「ええ。私たちは今日、駆け落ちをするのよ」  笑みを浮かべてそう言うと、グレイは深く頷いた。そしてリリィの手を握り、門を静かに通り抜ける。後を歩くリリィもドキドキしながら門をくぐったが、劇的な変化は起こらなかった。 「不思議。たったこれだけで、王宮から抜け出せるなんて」 「これでもう、引き返せませんからね」  足音を立てないように、二人は門から離れていく。遠ざかっていく王宮は、もう自分の家ではないのだと思うと感慨深い。  それでも、一つだけ確かなことがある。 「ねぇ、グレイ」 「どうされました? リリィ様」 「そのリリィ様っていうのはやめましょう、敬語もなしよ。だって私、もう王女でもなんでもないんですから」 「……リリィ」 「はい」  昔のように呼ばれた名前が、ひどく嬉しい。グレイに呼んでもらえるだけで、特別な響きに感じるのは、リリィが彼を想っているからなのだろう。  彼は足を止め、リリィの足元に跪く。リリィが止めようとすると、いいんだ、と呟いて言葉を続ける。 「健やかなるときも、病めるときも、あなたを愛し、守り抜くと誓います」 「グレイ……」  それは、婚姻の儀のようだった。きっと結婚式を挙げることは叶わないだろうから、リリィはその言葉がとても嬉しくて、また涙がこぼれた。 「私もあなたのことを、生涯愛し抜くと誓います」  涙に濡れた頰はそのままに、リリィは微笑む。  ぎゅっと抱き寄せられて、あたたかい腕の中。リリィはこの先どんな困難があっても、グレイとならば乗り越えていける、と強く思うのだった。
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