第2話、名前の由来

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第2話、名前の由来

オレはシズク お嬢と2人で暮らしている。 尚、うちのお嬢は飼い猫のオレから みて、相当変わり者だと思う 毎朝決まった時間に寝起きし 一切の贅沢をせず質素な暮らしを している。 彼女曰く、これは習慣みたいなもの らしい パッと見は10代か20代にしか見えず 外見も童顔で よく学生と間違われる お嬢。 んー…なに? オレの名前にはなにか 意味があるんですか? と、なにげない疑問を投げかけて みる。 お嬢はスマホに目を落としながら 答える あー…実はさそれ 元彼の名前なの ……。いや猫に元彼の名前とか 普通付けるか? と内心首を傾げる、 なんでも、3年近く付き合ってて 唐突に振られた。 人間の方は、うちと一緒に いたくないんだってさ まぁ、下がないよね〜 と、ヘラヘラ笑いながら 話すお嬢 だからさ、シズク 君は長くうちとおってな? その声は寂しげで とても辛そうだった。 きっと、お嬢は今でも そいつが好きなんだろう、 なら、オレはそいつより長くお嬢と 一緒に居よう オレの主人は寂しがり屋で わがままひとつ言えない不器用な 人。 それが自分の唯一できること だから。
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