帰り道、声をかけてくれて。

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 彼女の名前は明菜(あきな)ちゃんと言って、隣のクラスの4組の子だった。  最初に見た時、校則に沿った髪の毛の結び方。新しく変わった制服のチェックのスカート。ピカピカなローファー。全てが似合っている「可愛い子だなぁ」と思った。 「小学校の友達の子みんな方面が違くて、1人で帰ってるの寂しかったんだよね〜」  2人で帰る帰り道は何だか久しぶりで、楽しくて、話が弾んだ。  部活のこと。期末テストのこと。勉強のこと。新しい生活で楽しみがたくさんで、話題は尽きなかった。  いつだったか、 「なんで声をかけてくれたの?」  と聞いたことがあった。 「いつも、前か後ろにいるのを見てて…知らなくてびっくりしてたよね、最初」 「そりゃ、びっくりするでしょ。だって全く知らなかったし…」  と言って明菜ちゃんが笑った。  私もつられて笑った。  明菜ちゃんと帰る帰り道は楽しかった。  けど、順調だったのはここまでだった、
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