もくげきっ！

　ザクっ、ザクっ。男性をめった刺しにしている───

　俺はここ数年不幸だ。父親が交通事故で他界してしまい母親は父の死に悲しんで涙ばかり流している。俺には一つもくれないんだ。母親はロボットのように泣く事しか出来なくなった。俺は不幸だ。もうお金が底をつき始めている。仕方ない、あの方法を取るしか───

その方法を取ってから二ヶ月が経ったある日の夜、俺は行った事の無い公園に出向いた。もうあの地区にいては駄目だと、終わりだと悟ったからだ。その公園は前のところより数十キロのところにあった。ここなら良いだろう。前の公園は仲間が沢山出来て少しばかり楽しかったのだが。まあ、みんなもあの公園にはもう出向かないだろう。しょうがない。俺はまたここで新たな仲間を作ることにしたのだった。

その一週間前───
『速報です。最近起きている豊中区連続無差別殺害事件について新しい情報が入ってきました。今回の被害者は三十二歳の男性、田中修さんでこれで一ヶ月前から七人目の被害者となります。引き続き新たな情報が入ってき次第お伝えします───』