鍵クエスト

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「あの…鍵クエの依頼ですが、お願い出来ますか?」  声が女性だったので魔法職のローズマリーさんだと認識し、俺は背中からの声に振り向くと、俺とワルドさんの話が終わるのを待っていたのだろうか、4人が横並びで俺の後ろに立っていた。  渋そうな顔で睨んでいる男が1人混じっているが、彼らの意見は纏まったようなので、俺は「はい、判りました。」と答える。 「じゃあ早速行くぞ。店の外にある広場でバルガデスの攻略方法を説明して貰ってから、出発だ。」  ワルドさんの号令に返事をする俺と依頼者達は、店から出てすぐの芝生広場に集まった。  そしてワルドさんから促されるように、並んで待つ4人の前に俺は立つ。 「それじゃあ私から、バルガデスの攻撃行動と回避方法を説明します。」  俺は前に並んで立っている4人に、それぞれの役割と注意点を付け加えながら説明することにした。    バルガデスの注意しなければならない攻撃は3つあり、突進と暴走と範囲ブレス。  突進はランダムに選らんだ相手に3連続の突進攻撃。  暴走は部屋の中をひたすら走り回る、予測不可能な突進攻撃で、1分ほど走り回る。  範囲ブレスは、ショットガンの弾丸のように広がるブレス攻撃で、跳弾するので回避不能。  俺はまずこの3つを説明し、その対策を伝える。 「通常攻撃的な、ブレスや尻尾攻撃に振動攻撃などはどの竜型も同じなので自身の判断で回避してください。で、突進と暴走は同じモーションから発動しますので、この見極めは動いてからしか判断できません。なので、前衛職は直ぐに離れて対処します。 この時、ジンロックさんはローザストさんを全力で守って下さい。盾や壁などで防ぐ事は出来ない攻撃ですので、馬を使って走り回って下さい。最悪無理だと思った時は、ローザストさんを上に放り投げて下さい。ローザストさんは即死する攻撃なので、絶対に守って下さい。ローズマリーさんは、運悪く死ぬかもしれないですが、ローザストさんが生きていれば復活出来るので頑張って下さい。」  息を飲み込んで頷くローズマリーさんと、ジンロックさんが頷くの確認した俺は話を続ける。 「マークエンスさんは常に距離を取って下さい。突進と暴走は余裕で避けれると思うので、焦らずに対処。そして、弓攻撃は聖属性付与を付けてもほぼ効きません。唯一効果があるのは、目だけです。ですが、弱点ロックが出来ないので、攻撃よりも重要な仕事を頼みます。」  俺は、マークエンスさんが聞き逃さないように一呼吸を置いてから、言葉を続けた。
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