12人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
なので俺と相性が良いボスなのは容易に想像が付くし、ボスドロップを譲渡してくれる相手を求めているのも判る。
だから、俺は自分の自己紹介を先にした。
「初めまして、純パラ、レベルカンストのリツです。参加条件はドロップ品の譲渡で良かったですか?」
『純パラ レベルカンスト』とは、パラディンに必要なスキル4系統はポイント20で良いのだけど、30までポイントを入れた『純粋なパラディン』という意味で、カンストとは、レベルがこれ以上、上がらない『完全ストップ』という意味。つまりレベル100。
「さすがリツだな。察しがいい。」
ドワーフらしい、豪快な笑みを浮かべるワルドさんに俺はサラっと答える。
「ワルドさんが鍵クエの手伝いに俺を頼るって事は、そういう事ですから。いつもの事です。」
「まあな。おまえが来てくれて、ほんと助かったよ。じゃあ、お前達も挨拶をしてくれ。」
メタルカラーのフルアーマー装備で、兜は外しているので人族だと判る男性が一歩前に出る。
「俺はジンロックって言います。レベルが82のテンプルナイトで、聖属性だけ30にあげて、今は回避に振ってクルセイダーを目指しています。」
次に前に出たのは、黒い軽装レザー防具の緑髪のエルフ男。身長が190前後あり、この中では一番背が高い
「俺はマークエンスです。 81レベルで純スナイパーで。今は剣術に振っています。」
3番目は金髪のエルフで、紺色の神官服系のローブの男。少し威圧的な態度を見せている。
「俺はローザスト。レベルは83。純セージを目指している。武器は『光竜』があるので、アークビショップの称号はある。」
まあ、キャラに合わせた会話と思えばなんてことはない。
「私はローズマリーです。水の純アークメイジを目指してますが、今はレベル80のハイウィザードです。今回は私のオーブ集めになっています。」
最後の挨拶になったのは紫髪のエルフの女性。青を基調としたローブで、18歳くらいの少女のような笑みを見せる。
タンクに弓と魔に回復か…普段からの固定メンバーみたいだし、サブタンクの『パラディン』を補充したいってところか。
「ボスはなにですか?」
「バルガデスです。」
俺の質問に答えたのはテンプル職のジンロックさん。
構成的にも、立ち振る舞いから見ても、彼がこのパーティのーリーダーだと確信する。
『バルガデス』
闇属性の恐竜ティラノサウルス型の魔獣。
硬い皮膚で切断耐性と魔法耐性が高いけど、鈍器などの打撃攻撃には弱いので、武術スキルと聖属性がある『パラディン』にはうってつけの相手になる。
最初のコメントを投稿しよう!