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レベルカンストメンバーでも、最低で8人は欲しい相手。
当然、独りで倒せるはずもなく、神殿から眺めているあいつらも、俺が5分間の足止めをしたら、フィールド移動で離脱すると思っているはず。
そして、花摘みのタイムリミットを考えると、10分以内に倒さないとならない。
咆哮後、白竜が範囲衝撃波を放ったのを盾で防いだ俺はシステムメニューを開き、アイテムをクリックする。
《リツ(パラディン)のソウルオーブを使用しました。》
『ソウルオーブ』
レベル上限に達したキャラクターに贈られるオーブ。
そこからさらに経験値を一定数得る度に贈られる。
使用すると10分間のみ、そのキャラクターの称号を全て加算する。
称号は重複可能だが、複合称号を得る条件にはならない。
これで『パラディン』として育てた全ての称号能力が俺に加算された。
『パラディン』は聖属性と闇属性の相手には相性最高なので、聖属性の攻撃をする『白竜パティア』の攻撃を大幅に軽減出来る。
だけど、10分以内の討伐には攻撃力が足りない。
《ティガのソウルオーブを使用しました。》
獣人の『バトルアタッカー』のティガで攻撃力を強化。だけど、これでも足りないな。
《シンのソウルオーブを使用しました。》
ハイダークエルフの『スナイパー』でクリティカルアップと移動速度アップ。これなら倒せそうな気もするけど…
あぁ~もう! ここまでやるなら出し惜しみする意味ないだろ!
《テル(セージ)のソウルオーブを使用しました。》
《テル(ライダー)のソウルオーブを使用しました。》
俺は全キャラのソウルオーブを使用して、盾と剣を外し、刃渡り2メートルの日本刀『ミカヅキ』を装備する。
白竜からの魔法攻撃は『パラディン』の『ミラーシールド』で防ぎ、物理攻撃は回避系スキルで全て避ける。
このキャラが持っている『ミカヅキ』はクリティカル発動率が良く、『アサシン』と『スナイパー』で発動率が上がるので、たぶん9割以上は確定発動する。
これが、10分以内に『白竜パティア』を討伐する為の選んだ俺の答えだ。
俺は刀を構え、敵の頭上へと向かって、空へと飛び上がる。
全長12メートル。西洋竜型の白銀の体は日差しを受けて光輝いている。
首を持ち上げた白竜の口から、聖属性のブレスが俺に向かって来る。
見た目は完全にレーザーなそれを、俺は『ミラーシールド』で跳ね返す。
反射されたブレスが自身に直撃した白竜は、地団駄という名の振動攻撃を繰り出す。
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