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4 曙色 あけぼのいろ
気づいたら梅雨が明けていて、雨季独特の空の低い感じがいつの間にかなくなっていた。
夏休みを前にレポートや課題に追われつつ、頭の片隅には夏休み明けから動き始めるリカのインスタレーションのことがチラついている。
自分の課題は相変わらず教授にネチネチと嫌味を言われて、描き直しても描き直しても一向に良い方向に向かない。あまりに何から何までダメ出しされるので、そもそも自分が何を描こうとしていたのかもよく分からなくなってきたし、それどころか自分が絵を描こうとしていたのか、本当に描きたかったのか、そんなところから分からなくなっている。
もう何をしてもどうやっても上手くいかないから、終いには、なんでわたしを受験で合格させたんだ、という大学に対しての八つ当たり的な恨みまで出てきてしまった。
梅雨入り前にリカから頼まれて、勢いに圧されてつい受けてしまったモデル。
あれから何度か打ち合わせをして、ようやくリカがやろうとしていることの全容が見えてきていた。課題が思い通りに進まないフラストレーションを、なんとなくモデルを引き受けたことで帳消しにできるのではないかという気がして、最初に依頼を受けた時より真剣に向き合うようになっていた。
着物の試着を、部屋中に張り巡らせる縄を染める担当のテキスタイル科ののぞみちゃん同席で何度も繰り返して、ようやく3パターン選び終えた。時々、テキ助教のあの人が見に来て、何をするわけでもなくわたしたちの打ち合わせを傍観していた。
「義武、は……そないな風に呼ぶ人あんまりいーひんし、イオでええよ」
わたしが何度目かにその人を義武さんと呼んだ時、いつものように少し困ったような軽い笑顔でそう言った。
イオくん。
みんな、そう呼ぶ。リカもそうだし、他の学生たちも当たり前のようにイオくんと呼んでいて、彼女もそれを当たり前のように受け入れて返事をしている。
「伊織さん」
イオくん、というのは、わたしの中では違う気がする。何だろう。何が、なのかははっきりと言葉にできない。でも、この人をイオくんと呼ぶのは違う気がした。
「あはは。ちょっと意外で可愛いかも」
わたしが勝手に伊織さんと呼んだことを、リカが笑う。でもそれは、バカにしたり茶化したりするような笑いではなくて、珍しがってはいるけど嫌味は全然ない。
「うん、可愛いかも」
もう一度独り言のように呟いたリカがなんだか泣き出してしまいそうに見えて、一瞬焦った。でも次の瞬間にはいつもの笑顔に戻っていて、気のせいだったかと思い直す。
「じゃあ、いよいよ縛りのリハの段階で、良い?」
一瞬、違うことに意識が行っていて、リカの問いかけにすぐ反応できなかった。
「緊縛師の龍園楓さんっていう人なんだけど、今週の木か金の午後なら時間とってくれるって」
縛り、と聞いて、気持ちがグラリと揺れた。どうしよう。大丈夫かな。
未知過ぎて想像もつかない。縄で縛られるなんて、人生で一度でもあるかないか……いや、ないな、普通。
「木曜はわたしダメ。課題の提出日」
突然思い出して、現実に引き戻される感じがした。嫌なこと思い出した。気が重い。でも単位のためだし、仕方ない。
「じゃあ金曜の午後にしてもうらうね。イオくんは? 平気?」
「うん」
レポートや課題が少しずつ片付いてきて、夏休みが終われば4年生は全体が一気に卒制に向かい始める。他の大学に比べると就職活動より卒制に向ける情熱の方が多い気がするのは、美大あるある、かもしれない。
そうだ、自分の卒制のことも考えないといけないのだった。また嫌なこと思い出した。
「オッケー! じゃあ金曜の午後に、楓さんはここまで来てくれることになってるから、時間だけ決まったらまた連絡するね」
関わる人も増えてきて、本当にやるんだな、という実感がようやく湧いてきた。それでもわたしの内側は不安と心配でパンパンになっていて、いつか破裂してしまいそうだった。
「サラちゃん?」
伊織さんが声をかけてくれた。
振り向くと、心配そうにこちらを見ている伊織さんと目が合った。しまった……顔に出ていたかな。
綺麗な人だな、と思う。
女性らしい美人というわけでも、男性らしいイケメンというわけでもなく、何とも言えない不思議な雰囲気の凛とした美しさがある。流行りの言い方をすればジェンダーレスなんだけど、もっと、なんて言うか、囃し立ててはいけないような、触れずにそっとしておかないといけないような、聖域じみた危うい美しさだ。話すとあんなにチャラいのに。
「大丈夫?」
もう一度声をかけられて、慌てて何を心配されているのか考えを巡らせる。
「縛るのなんて、怖いよねぇ」
わたしの考えがその表現に辿り着く前に、伊織さんが先に言葉にしてくれた。
「あ、いえ。あの……プロの方だし、別に、特に、大丈夫です」
盛大に見栄を張ってはみたけど、なんだか色々バレていそう。
「不安なことあったら何でも言った方がいいよ」
「……はい」
あれ、言葉、普通に標準語だな。なんでその時によって違うんだろう。
「あー、じゃあウチはこれで抜けるなぁ。このあと職員会議があんねん」
え、また。やっぱり京都弁っぽい。みんなに話す時は方言なの?
最初の印象より色々と複雑な感じがして、少し戸惑う。もっとシンプルにチャラい人かと思ったのだけど。
「じゃあね、サラちゃん。何か困ったことあったらいつでもテキの研究室おいで」
なんて返事しようかな、と思っているうちに伊織さんはサッと部室を出て行ってしまった。
なんだか、陽炎みたいな人だな。ふわふわしていて、サッと現れるけどスッといなくなって。捉えどころがないというか、掴めない人。
「あれぇ、イオくんもう行っちゃった?」
リカがバタバタと動き回って、部室の出口の方を見ている。
「やだぁ、これ持ってって、って言ったのにぃ」
大げさに腕を振り回して持っている用紙の束をバサバサと振った。何かの資料かな。
「あ、わたし追いかけようか? 今出てったばっかりだよ」
「えー、助かるぅ! お願い!」
リカから用紙を受け取って、伊織さんが出て行った出口に向かって走る。
会議、と言っていたから、テキの研究室の方かな。テキって何号館だったっけ。
サークル棟を出たところで、隣の棟の画材屋の前で学生たちに捕まっている伊織さんを見つけた。良かった、ちょうど足止め食らってくれていた。
「えぇえ、何それぇ、なんか変! 女装!?」
いかにも、な感じのゴリゴリのデザイン科の女子3名に囲まれて、伊織さんは少し困ったような笑顔を浮かべている。
「あははー、似合わなーい!」
下品な笑い方。手を叩きながら人のことを笑うなんて。
伊織さんの髪に、見事なリボンが……あれはさっきリカがふざけて結んだ着付け用の腰紐だ。
無造作に緩く後ろで1本に束ねた髪に、曙色の地に紅梅が散りばめてある可愛らしい紐が、ふわりとリボンの形に結び付けられている。そうか、外し忘れて行ってしまったのか。
「そぉか? やっぱしだめかぁ? 可愛いやん、これなぁ、シルクなんやでぇ」
口ではそう言いながら、腰紐リボンをするりと解いて、またいつものチャラい笑顔を見せている。
どうしてそんなふうに笑えるの。
「イオくん、オカマっぽぉーい!」
だから、手を叩きながら笑うなよ。
伊織さんのセクシュアリティはみんな知っているはず。天然で間違えているわけはない。それなのにそんな言い方するなんて。なんだか腹立つ。無性に。
声をかけようか、と思った時、ちょうどチャイムが鳴って、デザ系女子たちはバタバタと走り去って行った。
ひとり取り残された伊織さんは、手にした腰紐をじっと見つめている。そして、画材屋のショーウィンドウのガラスを見て、しばらくそこに映る自分の姿を見ているようだった。
少しして、徐に後ろで縛ってあるヘアゴムを引っ張って外して、バラけた髪をバサバサと指で解した。それからピンクの腰紐をクルッと丸めて作業着のお尻のポケットに突っ込むと、デザイン科の棟があるエリアに向かって歩き出した。
「伊織さん」
わたしの声かけに、伊織さんはゆっくり立ち止まってこちらを振り向く。
「あれ。サラちゃん。どしたの」
笑顔。
ではない。笑い顔だけど、笑っていない。
「あの、これ」
リカから頼まれた書類を差し出す。
「あ、やば……忘れたね、ごめん」
受け取った伊織さんは、顔を伏せたまま、何かどこか少し後ろめたそうな雰囲気だ。もしかして、今のやり取りを見られていたことに気づいたのかな。
「……怒らないんですか」
「ん? あぁ……まぁ別に、悪気あって言ってるんじゃないと思うし」
「でも、伊織さん別に、男性として振る舞いたいわけじゃないですよね」
トランスジェンダーではないだろうな、とは思っていた。もしトランスなら、胸を潰したりして女性の体を隠すだろうけど、それはしていないから。それに、一人称に俺とか僕とか男性のものを使っていない。
「あー、うん。まぁね。でもあんまりこだわらないっていうか、周囲がそれを求めてるんなら期待に応えてそう振る舞うのも別に悪くないかな、とか」
「求めてる?」
「そうなんじゃないの」
「でも……」
もし本当にそうなんだとしても、それに応えなければいけない義務なんてないのに。
困ったような作り笑顔が、さらに困り度を増してきてしまった。どうしよう。しんどい思いをしているのなら、少しでも気が楽になってもらえたらいいと思って声をかけたのに。もしかして逆効果だったりしたかな。迷惑、だったかな。
「いいんだよ、絶対的王子様感を出し続けてれば、みんなが喜んでくれるんだし」
確かに伊織さんをキャンパス内で見かけると、たいていいつもたくさんの女子に囲まれている。今まで面識がなかったから視界に入っても気づいていなかっただけで、普通にずっとそうやって女子に群がられていたのかと思うと、何とも言えない気持ちになる。
望んでやっているわけではないのに、周囲から求められるからと男性のように振る舞う。そのことに、どういう意味があるのだろう。
「もしかして、言葉も?」
「言葉?」
「方言。その、京都弁?」
「あー……うん、まぁ、そうね。そっちの方がウケるから」
否定しないということは、やっぱり京都の言葉なのか。
「王子様だったら普通に標準語の方だろーとか思うけど、意外に方言の方がウケるんだよね」
「そんなふうにキャラ演じなくても、伊織さんは伊織さんなのに」
わたし、何をこんなムキになっているのだろう。伊織さんのことなんて関係ないのに。
ほんの少しの間。こちらをじっと見ている伊織さんの目に、いつものチャラい笑みはない。でもまたすぐにヘニャッと笑顔を作って、ぎゅっと眉尻を下げた。
「……受け入れられない怖さをさ、何度も味わうのは、なかなかキツいもんなんだよ」
伊織さんは下を向いて、足元の小石をスニーカーの爪先でゴロゴロと踏みつけながらゆっくりと言った。今まで何度もそういう辛い思いをしてきた、とも受け取れる言い方。トランスではないにしても、やっぱり何かしらマイノリティな部分があるのかも知れない。
「まぁ、いいんだ、ホントに。ありがとね、心配してくれて」
顔を上げて、真っ直ぐにわたしの方を見る。こんなふうに近距離で真正面から見たのは初めてで、いつも少し離れたところから見ている印象と違って見えて、緊張する。
「サラちゃん、イイね。なんか、自然で」
わたしの頭にポン、と手のひらを乗せて、まるで子どもにいい子いい子するみたいに軽く撫でた。それから、本当に王子様みたいな優しい笑顔をふわっと見せる。
あれ。なんだろう。いつもと何か違う。こんな笑顔、今まで見たこと……
いや、違う。やっぱりチャラい。誰にでもこんなふうに、口説くみたいに声かけるのかな。人タラシ。無意識なのか、わざとなのか。狙ってるようには見えないけど。
何やら猛烈にモヤモヤとした気持ちが湧き出して、それが顔に出てしまっていそうで焦る。
「リカちゃんをさ……あの子のそのままを丸ごと受け入れて仲良くしてるサラちゃんと、ずっと話してみたいと思ってたんだよね」
突然、王子様モードから、心配性の姉のような世話焼きモードに変わった。
うわ……意外。
「あの子、あんな性格とキャラだからまぁ人ウケは良いけど、それでもトランスっていうだけでどうしても興味本位で近づいてくる人もいるし、今までも散々嫌な思いしてきてるみたいだからさ」
ただの教員と学生というだけとは思えない、何か濃い繋がりのような、絆のようなものがあるような気がして、なぜか胸の奥が軋む。
「リカちゃんから聞いてると思うけど、私、レズビアンだから、セクシュアルマイノリティとしての生きづらさはわかってるつもり。でも、LGBとTは別物だと思ってて、トランスはやっぱり一番しんどいと思うし、私には到底想像できない大変な思いをしてきてると思うから」
心臓が、ギュッと音がしそうなほど縮こまったような気がして、怖くなって密かに深呼吸をする。一つ一つの言葉が伊織さんの口から溢れる度に、それを取りこぼさないようにと必死に拾う。一度で全てを理解するには情報量が多すぎて、意味もなく深呼吸を繰り返した。
セクシュアルマイノリティ。
レズビアン。
ちゃんとしなきゃ。ちゃんと。大丈夫。
普通に、普通に喋れば。
「……そう、なんだ」
大丈夫だよな? ちゃんとできてるよな?
「え、と。あれ。そうなんだ、っていうのは、何についてだろ?」
伊織さんの顔に作り笑いの要素が増える。
嫌だ、これ。
「伊織さんの……セクシュアリティのこと、です」
まただ。また、胸の奥が痛い。そして、その理由がなんとなく分かった気がした。
リカにそういう存在がいてくれることは嬉しい。リカに彼氏がいるのも知っているけど、それとは別に、彼氏にも言えないことを相談できる人が他にもいたら、きっと救われることがあると思う。自分もリカにとってはそういう存在でいられていると思うけど、でも、リカと伊織さんの間柄と、リカとわたしの間柄には、決定的に違うところがあって……
「あれぇ、リカちゃんから聞いてなかった?」
「はい。特に、何も」
もしかして、失言だったとか?
「あらー、マジか……いやぁ、ナチュラルにカムアウトしたぁ」
軽……
やっぱり言うつもりないのに言ってしまったのか。
「リカはそういうの、自分からは言わないから」
「サラちゃんには言って良いよ、って何回も伝えてあったんだけど」
なんだ。元から隠すつもりはなかった、ってことね。
この見た目で、立ち位置『王子』で、それで、レズビアン。やっぱり最初の印象よりだいぶ複雑。本当にもっとシンプルでいて欲しかった。
「……引いた?」
突然の問いかけに、一瞬で我に帰る。危ない。何か余計なこと考えそうになった。
「え? 何を、ですか?」
「いや、だから、レズビアンだって」
「ん? 引く? 別に、引かないですけど」
引かない。引かない代わりに、心臓が痛い。どうしよう。ちゃんとしなきゃ。
「サラちゃんは、アライなの?」
余計なことは答えないように。普通に、ちゃんと。
「……あの、アライって意図的に、意識して『理解しよう、理解してます、応援します』っていうことだと思うんだけど、そういう意味ではちょっと違うというか」
「え、違うの?」
何を、どこまで、どうやって説明しよう。こんな話の展開になるとは微塵も思っていなかったから、心の準備も何もできていない。
「わたしの場合は、元々……ジェンダーに全然こだわりがないというか、相手のセクシュアリティにあまり……興味がないというか」
少しだけ嘘をついた。
厳密に言えば、全くこだわらないという訳ではない。ジェンダー感が曖昧な、薄い人が好き、なのだけど、そう言ってしまうとちゃんとできなくなる可能性があるから、言わない。
「あ、でもやっぱりアライでいいです、同じことです」
ごまかしたのバレたかな、と思ったけど、やっぱりこれ以上話が進むと危険な気がして、是非とも話を切り上げる方向に持って行きたい。
「いや、今は色々と世の中も変わってきてて」
何言ってるの、わたし。なんてくだらない話題を振ってしまったんだろう、と思ったけどもう遅い。どうでもいい、そんなこと。ごまかさなくては。話、逸らさなくては。
「あ、あの、時間、大丈夫なんですか? 会議って」
「あっ! そうだった、ダメ、全然大丈夫じゃない!」
作業着のポケットから懐中時計を引っ張り出して、時間を確認している。
今時、時間確認する用にポケットから出てくるのがスマホじゃないとか。チャラさとのギャップにちょっと萌えた。
あ、ダメだ。ストップ。
「これ、ありがとね!」
良かった、こちらの焦りには全然気づいていない。さすがに本当に時間ないのか、バタバタと慌ててその場を去ろうとしている。
「あの、腰紐、リカに返しとくけど」
実はずっと、ポケットに押し込まれた絹の腰紐の状態が気になっていた。表には出ない裏方的な存在だけど、それでも皺くちゃになってしまうのは忍びない。
「あーありがとう!」
振り返って数歩戻ってきて、ゴソッとポケットから引っ張り出した腰紐をわたしに差し出す。指が、すごく細くて、綺麗でびっくりした。
紐を受け取る時、わたしはなぜか、手が触れませんように、と心から願って、実際に接触を避けられるように慎重に両手を受け皿にして距離を取った。そのことに伊織さんが気づいたかどうかはわからない。とりあえず急いでいてくれて助かった。
「じゃね!!」
渡し終わった時にはもう身体は向こうを向いていた。半ば振り返るようにこちらを見ながら雑に挨拶をして走って行く伊織さんを見て、やっぱりチャラいな、軽いな、とホッとした。
伊織さんから受け取った腰紐を、そっと指でなぞる。絹糸の細やかさに指が勝手に導かれて、生地を這うように滑っていく。
似合っていたのに。
緩くウェーブがかった柔らかそうな髪が、やっぱりゆるゆるな乱雑さで後ろで一本に縛ってあって、ふわりとリボンの形に結ばれた腰紐が髪と一緒にふわふわと揺れていた。ヘアゴムからあぶれた毛束が頰にかかって、チャラい軽さの合間に時折見せるなんとなく物憂げな表情がやたらと色っ…………
やめた! ダメだ、もう。やめやめ。リセット。
渡すものは渡した。役目果たした。終わり。
よし、戻ろう。あれ、もう打ち合わせは終わったのだった。違う、わたし自分の課題やらなければ。やりたくないけど。いや、とりあえずリカに腰紐返さなければ。
そうだ、やることいっぱいある。忙しい。忙しいわ。ものすごく。
余計なこと考えている暇なんてない。そうそう、ちゃんとしなければ。
お母さん、心配しないで。ちゃんとするから。
大丈夫だから。
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