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8 黄支子色 きくちなしいろ
無事に芸術祭も終わって、大学内は全体的にひっそりと落ち着いた空気が漂っていた。景色から原色が減って、全体的にくすんでコントラストが落ちてきている。
4年生は卒制に費やす時間が日に日に増えてきて、例に漏れずわたしも日々、自分の絵に向き合わざるを得ない状況にある。
最初に思っていたよりは色々なことが見るようになって、それが絵にも反映されていた。それでも理想には程遠くて、この期に及んで新しい画材に手を出してみたり、いつもなら手が届かない高級な筆を買ってみたり、無駄な抵抗みたいなことをしてはひとりで踠いていた。
やめておけばいいのに、何年も使い慣れた膠を固形から液体に変えてみたりして、粘度の違いに翻弄されて結局上手くいかなくて高価な岩絵具を無駄にしたりもした。
物理的な失敗は、お金さえあればすぐに取り戻せる。それなりにバイトで稼いでいたので、そこはあまり痛手にはならない。でも、バカみたいな失敗で凹んだ心はそう簡単には浮上できなくて、ああすれば良かったとかこれはやめておけば良かったとか、後悔や反省の渦に押し流された気持ちは元に戻るのにそれなりの時間が必要だった。
そんなどうしようもない気分の時は、無理をしないで違うことを考えるのが一番いい。
外に出て、冬の始まりだと思ってもおかしくないような冷たい空気を吸い込むと、否応なしに気持ちがリセットされるような気がして、上手く逃げ道に出られたような感じがした。
無性に10号館の地下のカフェで売っている焼きプリンが食べたくなって、つい足が向いてしまった。
人気があるプリンなので、おやつタイム後半の今はもう売り切れている可能性が高い。でももしかしたらまだあるかも、と思って、ラッキーを期待してカフェに向かった。
カフェ入り口のショーウィンドウを見過ごして、カウンター横にある大きな冷蔵庫の前に立つ。
いつも並んでいる商品列に、お目当のプリンはない。やっぱりダメだったか。残念。
「あれぇ。サラちゃん」
不意に後ろから声をかけられて、すぐにその声の主に思い当たる。しまった。一番会いたくない人に会ってしまった。どうしよう。振り向きたくない。
「何してんの、サボり? 暇ならお茶しない?」
チャラい……!
ナンパか!!
振り向きたくなかったのについ思いっきり振り向いてしまって、でも伊織さんは冷蔵庫の中を覗いていたので目は合わなかった。
「あ、やったぁ、マンゴープリンまだあるじゃん」
冷蔵庫の扉を開けながら、伊織さんはわたしをちらりと見た。
あ、今度は目が合った。
「マンゴー大丈夫?」
大丈夫、とは、どういう意味だろう。いや、普通に、食べられるか?ということだよな。
「……はい」
「お目当て、じゃあなかったよね。残念そうな顔してたし」
「あー、はい。焼きプリン食べたくて来たんですけど」
マンゴープリンを2個取り出してカウンターに持って行った伊織さんは、そのまま断りもしないで支払いをしてしまった。食べられるか、と訊かれたから「はい」と答えたけど、「お茶しない?」に対してはイエスとは言ってないのだけど。まぁ、いいか。
慌てて財布を出したけど全然間に合わなくて、差し出されたプリンと引き換えにお代を渡そうとしたら断られた。
他の科の教員に奢ってもらうとか、意味がわからない。
「私も最初の頃は焼きプリンばっかり食べてたんだけど、あるときこっち食べたらハマっちゃってさ」
言いながら空いている席を見つけて歩いて行ってしまった伊織さんを、これは追いかけないと変だよな。これで別のところに座ったら、だめ、だよなやっぱり。
仕方なくついて行って、伊織さんが座った4人掛けの席のどこに座ればいいか、頭の中で猛スピードで考える。
隣はまずナシだし、真正面もなんとなく勇気が出ない。消去法で、斜め前か。
さりげなく、出来るだけ自然に、そっと椅子を引いてゆっくり座る。伊織さんは場所なんて気にしていないような雰囲気でこちらを見ていた。
なんだか、照れる。別に何を言われたわけでもされたわけでもないけど。
「いただきます」
伊織さんが小さく丁寧に呟いて、スプーンを持った。
大きな手。身長からしたら、これくらいが普通なのかな。
指が長くて、関節はちゃんとあるけどそれほど太くなくて、骨っぽくはあるけどゴツゴツはしていない。シワも少ないし、血管もあまり見えない。これは、デッサンのモチーフには超絶向いていない手だな、と思う。自分の手を描けという課題で苦労する手だ。
しまった。また見てしまった。やっぱり綺麗で、つい見入ってしまう。
「あー、うん。美味しい」
言い方が、なんていうか、いつものチャラっとした雰囲気と正反対で、こういうのをギャップ萌えとか言うのかな。いや、萌えていないけど。萌えていない。全然。別に。
「これねー、自分で作ってもどうしてもこういう味にはならんのよね。うーん、何が違うんだろう」
「あ、そう言えばリカが……」
なんだか、このゆったりした空気、居心地がいい。最近ずっと詰めていたからか、この緩さが絶妙に気持ちいい。
「伊織さん、料理上手だって」
会話のテンポもゆったりしていて、特に大事でもない言葉を緩く連ねるだけ。
現実逃避と言われればそうなのかもしれない。でも今は、そういう時間も必要なのだと思う。だってこんなに癒され……
気分転換だな。ただの。よくある気分転換。
「好きなんですか」
「まぁ、そうね。好き、かな。最初は必要に迫られて、って感じだったんだけど」
「必要?」
「そう。私ね、年の離れた三つ子の弟がいるの。で、両親は共働きだったから、私が弟たちの世話してて、それで料理も、ね」
伊織さんのプライベートの話を聞くのは初めてかも。なんとなく、伊織さんとファミリーなイメージがあまり結び付かなくて、伊織さんにも親とか兄弟がいた、という事実が少し不思議な感じ。
「三つ子……」
「珍しいでしょ」
自分が家族に対してあまり人に話したいような感情を持っていないから、人に色々聞いてしまうのももしかしたら迷惑かな、と思ったり。でも伊織さんは嫌そうな顔もしないで話してくれている。
「10歳も離れてるからさ、まぁ親3人と子ども3人みたいな家族でさ」
この人の性格を見れば、きっと優しくて穏やかで幸せな家族だったんだろうな、と思う。大事に育てられたんだろうな、と。
「ご実家は、西の方、ですよね」
「うん、そう。京都」
ビンゴ。というか、出身地くらい普通にリカに確認しても良かったのだけど。いや、興味ないし、別に。だからわざわざリカに訊く必要なんてなかったし。
「伊織さんこっちにいたら、三つ子くんたち寂しがらないですか?」
「もう高校生だからなぁ。それに3人だし、別に寂しくないでしょ」
三つ子と聞いてつい小さい子を想像してしまったけど、伊織さんくらいの歳の人の10コ下なら確かに寂しがる歳ではないな。
「ウチね、京都ではそこそこ名の知れた職人の家なんだよね。織紐ってわかる?」
「織、紐……あの、帯締め、とかの?」
「まぁそういうのもあるんだけど、今時の帯締めは組紐が多いかな。組紐ではなくて、織物の方の、えっと、真田紐っていうやつ、知ってる?」
「はい。茶道の道具箱を縛る時のあれ、ですよね。昔は刀剣の、なんて言うんだっけ、ベルト? 腰紐……じゃないか、えっと、す、ストラップ?」
「あはは、下緒ね。うん、あれあれ。あれのね、あの織紐職人の家系なの。父で13代目」
サゲオと言うのか、あれ。そうか。あれの、職人。13代目。え、それって結構すごいことなのでは?
「で、当然後継ぎが欲しくて、でも最初に生まれたのは女の私で、なかなか次が生まれなくて、最終的には医療の力を借りて、で、ようやく授かったのが三つ子の弟たち」
伊織さんはプリンを少しずつ掬ってチビチビ食べていたかと思うと、急にスプーンに山盛り掬ってパクッと食べたりして、それからまたチビチビに戻ったり、なんだか1個のプリンを随分満喫しているな、と微笑ましく思う。
いや、別に、微笑ましいだけだけど。
「今でこそ後継ぎの職人に性別も何もない時代だけど、28年前はまだそういうんじゃなかったからね。女じゃダメだったみたいで」
あ。28歳なのか。へぇ……助教としてはかなり若いけど、なんだか、やっぱり、大人……だよな。
「まぁつまり、私は別にあの家には特には必要ではない、っていう。ね」
話が思いのほか悲しい方向に行ってしまって、自分の話し方がヘタクソだったせいだろうかとか、色々と時を戻したい。
「そんなしょげたような顔しないでよぅ。大丈夫だから。家族の仲は至って良好だし」
家族経営の会社とか、田舎の農家とか、本家とか分家とか、後継ぎが必要な家があることはよく聞く。確かに伝統芸能や伝統文化もそうで、途絶えさせるわけにいかない血筋があるというのもわかる。でも、それを叶えられないかもしれないと思った時に、その責務をその次世代の人たちに色々と背負わせるのはやっぱり理不尽だな、と思ってしまうわたしは、いわゆる『いまどきの子』なのだろう。
「私が一般的な結婚して子ども持てるタイプじゃないってもう家族みんな知ってるけど、何も言わないでくれてる良い人たちだよ。両親も弟たちもそこはそれぞれが納得してる」
結婚。子ども。当たり前のように求められる生き方。それが出来ないと自覚している伊織さん。それは、伊織さんにとっては良いこと? 良くないこと?
じゃあわたしは? わたしにとっては? 結婚とか子どもとか、そういうことを具体的に考えたことは?
まだ22だし、とか、逃げる言い訳はいくらでもある。できることなら永遠に逃げ続けたい。向き合いたくない。でもいつか向き合わなくてはいけない時が来るのもわかっている。
「いまどきさ、家業のために自分の人生犠牲にするとか、なかなかないよね。受け入れた弟たちをある意味尊敬するわ」
言葉選びの割には、本当に家族に対して不満や不信感は持っていないような口調。ちゃんと信頼し合ってるとこうなるのかな。ウチとは全然違う。羨ましいような、妬ましいような。
「テキスタイルって、そういうお家の仕事と繋がりありますよね。いつかは戻って手伝ったりするんですか?」
「まぁ、実家は弟たちが継ぐだろうけど、私は実家とは別にいつか自分で工房持ちたいと思ってるから。自由にさせてもらえて感謝だね」
仕事があって、他にも夢があって、ちゃんと前を向いて顔を上げて歩いて行っている伊織さん。一見チャラく見えるけど、実際はちゃんと真面目で堅実だ。そんなことは分かっているのだけど。
「サラちゃんは? 卒制、どう? 順調?」
卒制、と聞いて、一気に現実に引き戻される。あーあ。この空気、割と楽しかったのに。
「あー、うん、まぁ、なんとか……」
「あれぇ、イオくん! と、え、サラぁ!?」
突然声をかけられて会話が遮断された。卒制の進み具合、適当にごまかしたのにもっと突っ込まれたらどうしようかと思っていたので助かった。
「おーリカちゃん」
「えー、何、ちょー珍しい組み合わせじゃん」
いつものキラッキラの笑顔。何の迷いもなさそうな勢いで伊織さんの隣の席に座った。
「何食べてんの、プリン?」
伊織さんの手元を覗き込んで、そんな仕草もいちいち楽しそうだ。
「あ! これマンゴー!? あたし食べたことないかも!」
「食べてみる?」
「えー、食べるー!」
そのまま口を開けて、伊織さんが食べさせてくれるのを待って……いる?
あれ。なんだか。
少し距離、近くない?
カレシはどーしたよ、リカ。
「うまー!」
黄支子色のふるんとした塊が、綺麗なグロスでツヤツヤの唇に吸い込まれていった。
「あはは」
ご希望通りに伊織さんに「あーん」をしてもらったリカが、嬉しそうにキラッキラな笑顔をさらにキラキラにして何か色んなものを撒き散らしている。
「あ、ねぇねぇイオくん、昨日の新しい腰紐完成したよ! 今干してるけど。写真見る?」
今度はスマホを手に、肩を寄せて一緒に覗き込んでいる。
やっぱりなんだか、距離近くないか?
「こっちのがミョウバンで、こっちのが木灰でやったんだけど、全然色変わったぁ」
なんだろう、なんだか妙に落ち着かない。
表層は、カレシいるのに他の人に甘えるリカに対して抱いたモヤモヤ感。
その内側に、可愛い子に甘えられて少し嬉しそうなチャラい伊織さんに対するイラッと感。
それから、もっとコアの部分の、よく分からない感情にドギマギさせられている自分へのげんなり感。
「へぇ、思ったより出たな。良いじゃん、綺麗だね」
「実物もっと明るいよ」
「じゃ後で見に行くわ」
不意に会話をストップしたリカが、不思議そうに伊織さんをじっと見た。
「あれ、今日あたしにも標準語じゃん! あーもしかしてサラがいるからぁ?」
そういえば今まではリカにも京都弁だったのに。やっぱり何を考えてるのかよく分からない人。
「まぁ、あんまり、特には意味ないよ」
相変わらずのユルい受け答え。本当に真意が見えない。
伊織さんにとって、リカとわたしとでは扱いが違うのかな。違うに決まっているか。
「リカと伊織さんって元々何繋がり?」
「ファッション科はテキスタイルと授業めっちゃ重なってるから。合同もあるし、出張もあるし。1年の頃から。工房もいっぱい使わせてもらってるし。姉妹科だよね」
「まぁ、そうだね」
それはガッツリと関係あるわけだ。教え子と言ってもいいくらいの。
わたしは、ただの新規の知り合い。教え子の友達、というだけ。使う言葉が違ったって当然だな。
突然、リカがビクッとして、手の中のスマホの画面を凝視した。
「あ……カレシから呼び出しー! じゃあねーバイバーイ!」
ものすごい勢いで立ち去ったリカを見て、なぜか猛烈にホッとした。彼氏とはちゃんと上手くいってるのだ。良かった。
良かった?
いや、リカが幸せで良かった、という意味だよな。リカが彼氏を好きで、彼氏からも好かれていて、それで、良かった、という意味。それ以外にないよな……?
「はぁ……なんであの子はあんなにせわしないかな」
「昔はもっと落ち着いてたんですけど」
カラフルで原色だらけな空気を纏ったリカがいなくなって、残されたわたしと伊織さんの間にはまた元の中間色みたいな地味な空気が戻ってきた。
「……中学、一緒だったんだってね」
「リカから聞きました?」
「少しね。詳しくは聞いてないけど」
ジェンダーアイデンティティのことを他人がとやかく言うのはルール違反。しかも当人がいない場所ではなおさら。リカと伊織さんの間でどこまで伝え合っているのかも分からないし、下手したらアウティングになってしまわないとも限らない。わたしがリカのいない場でリカのことを色々話すのはやっぱりダメなのだけど。
「なんか、人生を謳歌してるよねぇ。楽しくてしょうがない、っていうふうに見える」
この話題からこのままフェイドアウトできないかな、と思っていたら、伊織さんがさりげなく話題をすり替えてくれた。
「多分、世間から見たら100%安泰で何も問題ない、っていう部類ではないんだろうけど、彼女の中ではもう、色々と吹っ切れたんだろうね」
確かにリカは、手術などしていないと言っていた。あと、戸籍も生まれた時のまま。女性として生きていくには、まだまだ足りないことがたくさんあるはず。でも、今、リカは楽しそうだ。
「いいなぁ……」
目の前のテーブルに置かれた食べかけのプリンを見つめながら呟いた伊織さんの横顔があまりに儚げで、焦る。
羨望と、応援と、期待と……他にももっと色々な、わたしなんかには読み取れないほど複雑な想いを含めたような、なんとも言えない表情。
どうしよう。何か、声をかけた方がいいのかな。
「リカちゃんの姿勢がベストだよね」
急にそう言って顔を上げたから、思い切り目が合ってしまった。びっくりした。
「ジェンダーなんてさ、本人の自由だし、周囲がどう思っていようが関係ないじゃん、そもそも。それをさ、無関係のギャラリーがあーだこーだ言うから色々とめんどくさいことになるんだよね」
さっきの消えてしまいそうに見えた表情が見間違いだったのかと思うくらい清々しいスッキリした軽快な笑顔。やっぱりこの人、なんだか可愛い。
「あーーーもう、いいなぁ。青春じゃん。はぁー、羨ましいったら!」
わざとらしく冗談めかして言った伊織さんは、もしかしたらさっきの呟きを取り消したいのかもしれない。本音の部分が露呈したあの瞬間を、なかったことにしたいのかもしれない。その理由を、わたしは今ここでは追求しないことに決めた。だから伊織さんの冗談っぽい流れを頑張って引き継いだつもりだったんだけど。
「なんかちょっとオバサンっぽい言い方」
言ってから、しまった、と思った。さすがに失礼だったかな。まだ28の人にオバサンとか。怒られるかな、と思って伊織さんを見たら、すごい真顔でこちらを凝視していて、これはすぐに謝った方がいいのかも、と言葉を探した。
「あはは!! 面白いな、この小童が!!」
そう言って、飛んで来たのは拳ではなく、わたしの頭を豪快にナデナデするための手のひらだった。
「もーほんと、面白いわ」
伊織さんはすごく嬉しそうに笑っていて、そうなった理由がいまいち分からないわたしは、ただされるがままにじっとしていることしかできなかった。
プリンごちそうさま、と本当は言いたかった。でも、微妙にタイミングを逃した。
オバサンなんて言ってごめんね、とも言いたい。本当はそんなふうに思ってないよ、と。でもなんだかすごく楽しそうで、それも言いにくい。
「今度さ、早めに来て焼きプリン食べようよ。私も久々にそっち食べたくなった」
やっぱりこの人は、わたしにはちょっと難しすぎる。
緩いのは新鮮だったけど、相変わらずチャラいし読めないし掴めないし。
この人といると、ちゃんとできなくなりそうで怖い。
だからやっぱりもうプリンは一緒に食べない。
伊織さんのお誘いには、わたしは返事をしなかった。黙っているわたしを懲りずにニコニコと見つめてくる伊織さんを、そっとスルーした。そして、この罪悪感みたいな後ろめたさみたいなモヤモヤした気持ちを荒立てないようにして、黙って時間が過ぎるのを待った。
マンゴーの香りは思いのほか強烈で、食べ終わった後もしばらく口の中がマンゴーだった。お茶を飲んでもその香りはなかなか消えなくて、伊織さんとのやりとりとマンゴーの香りがリンクして記憶されてしまうのは少し困るな、と思った。
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