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私立降魔学園は、山奥にある全寮制の男子校である。
初等部、中等部、高等部が揃う小中高一貫校で、偏差値も高い。お金のある家が教養を身につけることを目的として息子を入学させるケースが多いため、御曹司や次期当主、社長の息子などが所属生徒の3分の2ほどを占める。
「え、嘘っ!」
「神々しい……」
「朝から拝めるなんて……!」
「早起きして良かったあー!」
いつもの朝、かなり早く登校してきた生徒達は己の運の良さに歓喜した。
ざわざわとした生徒達の目線の先には、プラチナブロンドの髪をもつ美麗な男子生徒がいる。
「おはよう」
本人は真顔であるにも関わらず、彼が群衆に挨拶するだけで卒倒しかける生徒が出る始末。
彼は、この学園の風紀委員長である。
冷静で真面目な彼は感情を表に出すことが少なく、生徒からは畏怖と尊敬、憧れを込めてこう呼ばれている。
『笑わない風紀委員長』
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