ロビン

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ようやく辿り着いた部屋の扉を体当たりで開くと、そこには青い顔をしたロビンがおり、腕には血塗れの包帯とそこから吸いきれなかった血を流れ落ち、ベッドに縛り付けられていた。あのいとこめ!!怒りのままに縛るロープを引きちぎり、ロビンを抱き寄せる。 「ロビン、ロビン!?」 意識はあるもののぐったりしている。 そこにいとこが現れた。顔色はロビンほどでないにしろ、真っ青だ。急いでロビンに駆け寄り、止血をしていた。自分でやっておいてそんな顔をするなんて信じられない。衝動のままに殴ろうとした時、ロビンに止められた。 「やめろ、俺たちのルールは女子供は殴らない、だろ」 女子供だろうと悪人はいるし、いとこは殴られるに値するだけのことをしただろ、と思うが、この甘いところもロビンの良さだと思っている。ロビンが言うなら仕方ないことだ。 「出てけ」 「は、はい!」 いとこを部屋から追い出すと、ロビンは起こして欲しいと言った。そして、弓と矢が欲しい、と。 「なにに使うんだ?」 「……リトル・ジョン、この矢が刺さった場所に俺の墓を作ってくれ」 「なにを言ってるんだ!?お前は生きなきゃだめなんだよ!」 「リトル・ジョン、俺は、無理だ。血を流しすぎた。だから……頼んだ」 そう言い、まるで全盛期のように美しく、力強く矢をつがえ、撃つと、その手は重力にしたがって少しずつ下がっていった。いくら鈍くても信じたくなくても、ロビンが死んだ、ということはわかった。 目を閉じてやり、手を組ませる。そして、持ち上げて、その軽さに驚く。熱病によって痩せ、そして、血を流したことでさらに軽くなってしまったのだろう。その辺にいるシスターなど視界にも入れず、階段を降り、森まで連れて帰った。矢の行方は、また後で探しに行こうと思う。
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