家庭教師はめんどくさい

追っかけてきたということで、少しびびっていたが、海人くんの真面目さは相変わらずで、本当にわからないんだろうな、とこっちも思うような質問しかしてこないし、いい子だ。

そんな感じで春学期が終わった。学期末にいつもサークルは飲み会を開催する。この時はお金は多めに出してもらうけど先輩も歓迎、ただし、パワハラ・セクハラはすんなよ、のスタイルである。
同期が後輩がどんなになってるか気になると言うので、仕方なく俺も行った。

邪魔にならないように端っこで飲んでいたが、可愛かった後輩が先輩している姿にちょっと感動したし、この席にも後輩が代わりばんこに来てくれて、久しぶりに話せて楽しかった。

とりあえずお開きにする、と言うので、店の外に出た。すると、海人くんが酔っ払ってるから誰か送り届けろ、と言っているのが聞こえた。未成年に飲ますなよ、と思うが、こういう時に飲んで潰れかかるのも一種の伝統というか、恒例イベントではあるとも思う。酔った同期が臨也なら家知ってるし、送れるんじゃね、とか言い出した。大抵の人はまだ彼の家を知らないし、知ってたとしても確実に家まで送ることが可能な人に任せたい、という気持ちが見えた。仕方ねーか。まあ、帰りタクシーになったとしても後輩に奢ったと考えよう。