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1話 交換留学?
トリステス皇国。
海に面しており、昔から輸入や輸出といった流通機構を上手く利用することで外貨を効率よく稼ぐ工業国であり、軍事力に関しても世界のトップスリーに入る国の1つでもある。
皇国の首都ハイデンベルクの中央に居を構えるのはこの国の皇帝グエン・トリステスと、その一族である。
「父上、ハイドランジア王国への交換留学の件を了承したということを宰相に聞きましたが、誠でしょうか?」
「お、ゲオルグじゃねえか~ イイところに来たな。丁度その話をしてたんだ。お前、行ってくるか?」
「・・・ えらく気軽ですねえ」
「当たり前だ。ちょっと行ってすぐ帰って来るだけじゃねえか。たったの1ヶ月だぞ」
「子供のお使いじゃ無いんですよ?」
不満気に皇帝を睨むこの国の第2皇子ゲオルグ・トリステス。
チョコレートブラウンのサラサラヘアと冬の曇り空の様な冷たそうな灰色の瞳。
体型はガッチリとした騎士のようである。
全てが父である皇帝とまるでお揃いで兄弟の様にも見えてしまう。
だだ、息子の方が短髪で所作は優雅ではあるのだが。
「まーそう言うなって。偶に外へ行って自分でも情報拾って来いや」
「父上みたいに1年中城を空けてしまうと臣下が右往左往します。私まで居なくなったら宰相の胃に穴があきますよ」
そう言いながら、ゲオルグはため息をついた。
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