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17話 謁見
「スハイド公爵。いや、メイソン久し振りだな」
ここはシャガル王国の首都クラーグにある王城の謁見室である。
シャガルは独裁政権であり、宰相や大臣といった重臣はいない為謁見室に居るのは国王であるジャージル、そして侍従位のものである。妻である王妃はとうの昔に家庭内別居であり、後宮に引っ込んだままである。
「お久しぶりです国王陛下」
恭しく臣下の礼を取るネイソンは、本来の姿の金髪に薄く色の入った眼鏡を掛けている。
「どうした、目が悪くなったのか?」
「ええ、寄る年波には勝てないようでして」
しらっとそう答えているスハイド公爵だが、当然最近になって現れた瞳に浮かぶ星を国王に見せないようにするためである。
「実は、相談があってだな・・・」
そこまで口を開いた国王だったが、突然ドアをノックする音に言葉を遮られた。
「一体何事だ」
軽く舌打ちをするとドアを睨む国王ジャージル。
侍従が慌ててドアに近寄りドアの外の官史を迎え入れた。
「陛下、姪御様がお会いしたいといらっしゃっております」
「はて? 姪とは、どの姪じゃ」
「トリステスの貴族に嫁いだお方で御座いますが、至急謁見をお願いしたいと仰っております」
「・・・ 困ったのう」
チラリとジャージルはスハイド公爵に視線を向ける。
「陛下、私の方は急ぎませんが?」
メイソンがにこやかな笑顔で国王に向かいそう言った。
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