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「ええええええぇえっ!! 父上が豪華客船にシンシア殿を拉致して逃げたッ?」
執務室で叫んだのは、ゲオルグ・トリステスである。
「はあ、やられました・・・」
額の汗を拭うのは、シャルム宰相である。
××××××××××
いつの間にやら豪華客船の切符を入手していたグエンは止める重鎮や皇太子を躱してシンシアを横抱きにすると豪華客船のタラップをその長い脚で駆け上がる。
外国の豪華客船は切符を渡して乗り込んでしまえば、もうそこは帝国ではなく外国だ。
残された者達には手出し出来ないのである。
「じゃあな~、アトヨロ~!!」
出港の合図である汽笛が鳴る中、グエンとシンシアが並んで手を振った。
残された帝国の重鎮達と皇太子夫妻も呆然としている。
ただ1人皇太子カイルの護衛であるディーン・テレッセだけが
「やっぱり陛下、かっけー」
と悶えていたらしい・・・
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