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トリステス皇国は情報の流通も盛んであり、最新の情報を入手することに長けた諜報国家でもある。
情報は最新、確実がモットーなので売り物は皇帝自らが仕入れに行くことも度々である。その為、城で統括を担う役目がもっぱら第2皇子であるゲオルグの仕事なのである。
皇太子である兄は現在、新婚旅行中で不在だ。
長年の片思いを成就させて婚姻に漕ぎ着けた事もあり浮かれポンチになった挙げ句、豪華客船世界一周旅行の旅に出掛けてしまい帰ってくるのは来年である。
嫁の事情抜きなら申し分なしのキレ者なのだが・・・
「まあまあ、お前が居ない間は俺がちゃんと城に居るから心配すんな」
眉間のシワを伸ばす皇子。
「で、いつですか私がハイドランジア入りするのは?」
「明後日」
「は?」
「いや、だからさ明後日」
「え、明後日って・・・ 明日の次の日ですよね?」
「そうそう」
良い笑顔で言い放つ皇帝。
「船で4日かかる国に、たったの2日でどうやって行くんですか~!」
額に井の字マークを浮かべ、大声で叫ぶゲオルグであった。
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