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「いつの間にこんなモノを・・・」
皇城の地下へと続く階段を降りると、見慣れない部屋へと歩を進める皇帝陛下。
「あ~、1ヶ月くらい前に完成したんだよ。秘密裏に作ってたんで結構時間かかったんだぞ」
「重鎮達は知ってるんですか?」
「いや、宰相だけだな。後はまあ口の硬いヤツが何人か・・・ 工事関係者とかは入れてねえからな」
「じゃあ、どうやって・・・」
「魔法だな」
「凄い」
10畳位の広さの何も無い部屋の床いっぱいに、見たことも無いような古代文字が精密な図形の中に描き込まれている。
大人が5人位で手を繋いだら出来る位の輪の中にソレは納められており、キラキラと光る金色の顔料で書かれてあった。
「我が国にこんな事の出来る魔術士はいましたっけ?」
「居るわけねえだろ、出張して来てもらったに決まってる」
「何処から?」
「ハイドランジア王国に決まってんだろ。だから交換留学に応じたんだよ。部屋も作ってくれるっつーんで、話しに乗ったんだ」
ハイドランジアはこの世界でも有数の魔力持ちを輩出している国なのである。
「で、コレ何なんです?」
「転移門だよ」
「うえっ、転移門って・・・ よくこんなもん作ってくれましたね。神殿の門外不出魔法じゃなかったんですか?」
「あ~。まあなー、聖王が作ってくれるって言ってくれたからな」
「いつの間に」
「知り合いになった」
「何処で?」
「ナイショ」
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