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老婆の願いと彼女の気持ち
私は自分の力のこと、ことの経緯、老婆の気持ちを彼女に伝えた。
彼女は私の話を静かに聞いていた。私が一部始終話し終わると彼女は呟いた。
「おばあちゃん、ずっと見てたんだ・・・。」
「驚かせてごめんなさい。でも私にはおばあちゃんのことを伝えることしかできません。」
少しの沈黙の後、彼女は話始めた。
「言い訳ですけど、私も心の奥ではわかっているんです。このままじゃいけないって、子供が可愛くないわけではないんです。多分・・・自分のほうが可愛くなってしまっているのかも。最低ですね、母親失格です。」
「失格ではないです。おばあちゃんのおかげであなたはそのことに気付くことが出来たんです。これからいくらでもやり直せます。気付けず一線を越えてしまう人が世の中にはたくさんいますから。」
彼女は少し微笑んだ。
「いろいろご迷惑をおかけしてすいませんでした。おばあちゃんのこと話してくれてありがとうございました。幽霊と話しができるなんて凄いですね。」
彼女に挨拶をして、私は部屋に戻った。
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