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春は出会いの季節
普通の人間だった。裕福とまでは言えないけど、家族みんな仲良くて普通の家だった。友達もいて楽しい学校生活を卒業して、普通の人生だった。
それなりに恋愛もした。
でもね
ある日君に出会ったの。
まるで初恋のような感覚だった。
今までの彼氏がほんとに好きだったか疑うくらいあなたに恋をしたの。こんなにも人を自分のものにしたいなんて思ったことなかった。
あなたは私にたくさんの初めてをくれた。
でも、あなたの初めてはきっと私じゃない。
だって本当は私だってあなたが初めてではないんだもの。
それでもあなたが初めてだと言いたいぐらいに魅力的なの。
あなたと会うだけで何回お店のガラスを見たかしら。
あなたには完璧な私で会いたいもの。
私のものにしたい
こんな感情を抱いていいのかしら。
昔、こんなニュースを見たわ。
「彼女が好きだから家から出さなかった」
そこまでする必要はないと思っていた私はどこに行ったのだろう。
今ならその彼の気持ちが手に取るように分かる。
あなたを毎日見たい
あなたが私の前から消えないで欲しい
私以外の人にあなたを見せたくない
こんなに気持ちが歪むなんて恋愛とは怖いものね。
いや歪んでいないのかも。
普通の人生を歩んできた私がこんな気持ちになるということは、きっとみんなも1回は経験したことのある思いよ。
そうよ
あのニュースの人だって私と同じ気持ちだったじゃない。
私の中で新しい感情が芽生えた気がした。
早く私のものにしなきゃ
いろんな人に愛想を振りまいているあなたはいつか誰かに取られてしまうでしょ?
その前にあなたを手に入れないと。
私はそこら辺の女と違って簡単に諦めるタイプじゃないの。
前までの夢は安定した暮らしをすること。
でも今は違う。
今の夢は、あなたと2人で1つの屋根の下で暮らすことよ。
学校で、夢を叶えるためには踏み出す一歩が大事とよく言われたわ。
だから私は夢を叶えるために
まずはあなたの名前が知りたいわ。
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