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２、角之進の二股疑惑
事務所に戻り急いで録音されたものを
再生してみる。
録音には最初の挨拶から記録されていた。
声は、はっきりと聞こえる。
まずは、夏凛さんが声をかけたようだ。
「あの失礼ですが、お電話をくださった、
田所さんでいらっしゃいますか？」
「貴女が探偵さんの吞辺さん？」
「はい私、呑辺探偵事務所の所長
呑辺 夏凛と申します」
ガサガサ、音がしている。多分名刺を
渡しているんだろう。
「すいません、御足労願って、
僕は、こういうものです」
夏凛さんが相手の名刺を受け取っているのか?
「○○商社の社長さんですか！社名は
存じております、
それで、今日はどのようなご依頼ですか?」
「はい、恥ずかしながら僕の家内の
浮気調査を、お願いしたくて、
でもこの事は内密にお願いします」
「はい、心得て降ります。極秘に調査
いたしますからご安心を」
「実は、ここ数か月前から家内の様子が
おかしくて、お金の使い方、着ている者
全てにおいて派手になって来ていたんです。
それで、探偵を雇って調べさせたんですが
その探偵がどうにも使い物にならなくて、
一枚だけ写真を撮っていたんですが、
どうやら、家内に張り込んでいる所を
見つかってしまったらしく、僕の方から
その探偵にもういいからと、断りを
入れました。そして、色々調べていたら
数々の事件を解決しているあなたを
見つけたという訳でして。
それに、その浮気相手は探偵や警察などにも
詳しいような事を、前の探偵屋が言っていました。
その時に、取った一枚の写真がこの写真です。
つい、一昨日の物です、新宿のホテル街を
２人で歩いていた所を撮ったらしいんですが」
そういいながら、田所氏が夏凛さんに
写真を見せているのだろうと、思われる。
それを、受け取ったらしい夏凛さんが
「えっ！！」と声を上げている。
僕もその写真を改めて眺めてみる、と・・・
思わず「えっ！！なんで？」
と声を上げてしまった。
その写真に写っていたのは、誰あろう
矢板さんだった・・・もう一度目をこすり
見直したがやはり矢板さんだ！
女性がしっかりと
腕を組んで歩いている所が写っている。
今は、北海道にいるはず・・・
なんで？東京に？
あの矢板さんが二股かけている？
そんな馬鹿な！・・・
取り敢えず続きの録音を聞く
「どうしました？その男性をご存じとか？」
田所氏が聞いていた。
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