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「…… 頼った、と言われたらそうだな。 病院で目を覚ました時に側にいた相手に、妻だと言われたら、好みはどうあれ、信じるしかなかった。 いや、正直、数日一緒にいただけで、非常識なあいつの行動や言動には、嫌悪感が湧いてきた。 これっぽっちも認めたくなくて、いつ離婚を切り出すか、そればかり考えていたがな」
あの時の状況を思い出して、シエナが傍にいたら、こんな誤解をさせなくて済んだのにと、悔しく思う。
こんな思いは、もうたくさんだ。
絶対に、逃がさない。
怖いくらいの執着心が、俺を捕らえて離さない。
「……すまない……、俺は記憶を失ったとしてもシエナ……、お前を手放してはやれない。 何度、記憶を失ったとしても、俺はその度にお前を愛すると、約束する 」
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