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ゴブリンのアジト内
「ここに、入ってろ!!」
「うわあ!?」
若者はゴブリンに牢屋の中へと投げられました。
「い…てて、何処だここは…?」
「ここはゴブリンのアジトの中ですね。」
「くっ…!!この牢屋の扉は、かなり頑丈だぞ!!」
「でも、この頑丈な扉以外は土壁のようです。」
「そうだ!!、爆「その方法ですと…この狭い牢屋であなたにも爆破時のダメージを受け、壁を破壊出来てもまるで意味がありませんが。」…じゃあ、どうすれば…。」
最適ならなるべく音を立てないやり方で…つまり、シャベルで穴を掘れば良い。
ゴブリンの知性なら壁が出来れば良いので、さほど強度はない。
「…思いつきませんか?」
「あんたには思い付いたのかよ?」
「出来れば自力で解いて欲しい物ですが…仕方ありませんね。」
「ん?これは…シャベル?もしかして…これで穴を掘れと?」
「爆弾だと確実に気付かれますから。」
「…楽は出来ねえもんだな。」
若者にシャベルを授け、壁に穴を…おいおい、地面を掘るんじゃないよ。
何処に出るつもりですか?という問いかけで、壁に対象を戻した。
そして…!!
「うっしゃー!!壁に穴を開けたぜー!!」
「穴と言っても通れる穴ではありませんが。」
「…こういうのはちょっとした穴でも良いんだよ!!」
いや、良くない。
穴は穴らしく通れるようにしてください。
それからしばらくたって…若者は牢屋から出た。
「…ん?何か聞こえるな。」
「どうやら、ゴブリン達はあなた以外にも誰かを捕まえてるようですね。」
「こっちだ…!?こ、これは!?」
「これは大人数で。」
大きな牢屋に捕らえられてるのは、ざっと見て町一つ分の人数(20~50人くらい)。
ただのゴブリンではないようだ。
「誰だ、君は?」
「牢屋から抜け出してきたのか!?それとも、助けに来てくれたのか!?」
「どっちでも良い、まずはここから出してくれ。」
「うるさい、黙れ!!」
若者が大きな牢屋の前にくると、牢屋の中の人が助けてくれと騒ぎたてる。
その騒ぎたてで巡回中のゴブリンが引き寄せられ、若者は捕まりました。
ゴブリンは若者を気絶させ、大きな空間に持ってきた。
「おや、どうかしましたか?」
「こいつ、妙な物で牢屋から脱走!!」
「これは…シャベルですね。確か、捕まえた時には何も持ってなかったようですが…。」
異世界転移させた際に所持品を一度預かってます。
そうじゃないと…何かの形で連れてこられたという事実がバレてしまうからね。
「うぅ…ここは?」
「ちょうど良く気付きましたね、あなたに聞きたいことがあります…これはどうやって入手しましたか?」
「あんた…誰だ?」
「質問に、答えろ!!」
若者の頬にゴブリンの一撃が入る。
かなり痛そうだ!!
「ぐはっ!?」
「質問に答えて下されば、痛みはありませんよ?」
「うぅ…それはあいつがくれたんだ。」
「あいつとは誰ですか?」
「…なんていうか、支援者?」
「支援…では、その方は何処に居ますか?」
「何処…?現実のことか?」
「訳の分からないことを、言うな!!」
あのゴブリンは近くにいる謎の女性によって、知性を強化されているようだ。
さて、現実という場所をどう捉えるかな?
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