ゲーム感覚で始める若者とそれを眺める俺

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「現実…?この世界ではないと言うの?」 「…?その通りだが。」 「…ねぇ、聞こえているんでしょ?聞こえているのなら…この叫びが聞こえるはずよね?」 ガリッ!! 謎の女性は若者の肌に爪を突き立てて引き裂いた!! 若者は突然の痛みに苦しんでいる!! 「ぐはっ!?な…何を…!!」 「…反応無しね。だとしたら、その支援者は直接あなたに話しかけてることになるわ。」 「こいつ、どうする?」 「そうねぇ…死んでもらおうかしら?」 「死…!?」 お…落ち着け…ここはゲームの中だ…死んでも何もペナルティは無い…!! やけに痛みはリアルなのは気になるが…。 「あら、死ぬのは怖い?でも大丈夫よ、死ぬのは一瞬だから…。」 残念!!若者の旅はここまでのようだ!! ちなみに結末は首チョンパよ。 「うわあ!?…あ…れ…?ここは…。」 「やあ、どうやら死んでしまったようだね。」 「ちょ…てめえ、助けろや。」 「ああ、今の君の状態では無理だから潔く見捨ててしまった。」 「捨てんなや!!…で、どうするんだ?」 「どうとは?」 「これでテストプレイは終了か?」 「続けたいのなら、続けてくれても構わないよ。」 「いや…止めとくわ。」 「そうか。では、VRゴーグルを外してくれたまえ。」 「…お、これか。」 若者は慣れない感じでゴーグルを外して、現実へと帰還する。 さて、報酬の時間だ。 「どうかね、テストプレイのご感想は?」 「めちゃくちゃリアルだったわ!!あの痛みとか生々しいったら…。」 「それじゃ、これが報酬だ。」 若者の熱烈な体験談を適当に聞き流しつつ、俺は報酬が入った鍵の掛かったアタッシュケースを渡した。 「アタッシュケース!?…このケースだけが報酬だったら割りに合わないんだが?」 「中身は開けてみてのお楽しみだ。」 「どれどれ…って、鍵が掛かって開けられないんだが?」 「君が自宅で一息ついた頃には開くよ。」 「いや、それどんな仕組み……まあ、良いや、なかなか楽しめたわ、またの機会が来るわ。」 「次に呼ぶ前に来たら、ただでは帰さんぞ?」 予告はした、これで来たら無茶振りが出来そうだな。 そして、若者が自宅に帰り…一息をついた頃、渡されたアタッシュケースを開くと…それはそれは大歓声を上げたそうな。
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