たまには派遣のような形で

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たまには派遣のような形で

~現代世界~ 「仕事…仕事…今日も俺好みの仕事がねぇな…。」 ここはどっかの賃貸型のアパートの中、その中でパソコンと向き合いながら仕事を探す若者。 若者が探す仕事は楽で稼げる仕事…最も、そんな仕事は悪業ぐらいな物だろうね。 悪業は流石にヤバいと思い、若者は公な仕事を探しているのだろうが…。 「くそ…今日も収穫は…ん?何だこの仕事?」 そんな若者をただ眺めるのもつまらないので、このお仕事掲示板に若者好みの仕事を掲載してみた。 「新作VRゲームのテストプレイをお願いします」…とね。 人数制限はしてないから、バンバンメッセージが飛んでくるわ。 「なになに…通勤費を全額支給の住み込み可で三食食事付き!?それに、ストレスに配慮した生活を対価として…この辺はよく分からないが、良い仕事を見つけたぜ!!」 ま、事前に若者のメッセージIDは取得済みなのでそれ以外は全て悪徳にでも流そう。 …後で文句を言われるだろうが、最適な摘出方法だろう。 それから数日後。 「君が、今回のVRゲームのテストプレイに参加してくれる者だね。」 「は、はい…あの、テストプレイは俺だけですか?」 「ああ、このゲームは一人用だ。君からのデータを元にして更なる人を呼ぶかもしれないが…まずは君だけだ。」 そう言いながら、彼にVRゴーグルを差し出して装着させる。 「…なかなか装着感は良いですね。」 「そうだろう?快適な装着を心がけているからな。」 「準備出来ました。」 「じゃあ、ここからは音声入力だ。「ゲームスタート」と大きな声で言ってくれ。」 「ちょっと緊張しますね…ゲームスタート!!」 そう言った瞬間、若者の姿は世界から消えた。 このVRゴーグルは見た目的には何の変哲もないが、異世界への転送装置なんて誰も思うまい。
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