ギフト

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 意思を総動員させ脳に指令をくだし、なんとかまぶたを持ちあげる。目に飛び込んできたのは、白だった。一面白。真四角の箱のような部屋。壁にデジタル時計……いや、ストップウォッチなのか。  59:58  59:57  59:56  数字が1づつ減っていく。きっと秒数だ。つまりタイムリミットは一時間なのだろう。タイムリミット……なんの? 『オメザメデスカ』 『イッタン、ジカンヲトメマス』  59:55  数字がぴたりと止まる。 「……なに? ここ……どこなの……」  状況がまったく把握できない。真っ白で真四角の部屋にひとりきり。スピーカーもないのに、どこからか聞こえてくる謎の機械ボイス。それから時間制限。これは……漫画なんかでよくみるアレだろうか。  ○○しないと出られない部屋。  バカバカしい! そんなの現実にあるわけがない。これはどう見たって拉致監禁だ。でも、どうして?
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