ギフト

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 時間は刻一刻と過ぎていく。ゲームオーバーになったら……わたしは殺されるんだろうか。この部屋のどこかに爆弾が設置されているとか? いや、でも……わたしに恨みがあって殺すつもりなら、こんなまわりくどいことをせずに、さっさと殺せばいいだけだ。それをしないということは、やはりゲームになにかしらの意味があるんだろう。  わたしにしかできないこと。ゲームであり、その答えを見つけることが脱出に繋がるのなら、必ず正解があるはずで。機械ボイスは、その正解を知っている……ということは、わたしのことを知っている? じゃなきゃ、わたしにしかできないことの正解を用意できるはずがない。 「……誰なのよ」  58:32 『ハヤク、コタエテクダサイ』 「……右手薬指を第一関節で曲げられるとか?」 『ハハハ。ナンデスカ、ソレ。ソンナコト、アナタイガイニモデキルヒト、タクサンイルンジャナイデスカ』 「でしょうね」  わたし以外にもできる人はたくさんいる。そう言うってことは、言葉通り『わたしにしかできないこと』でなければ駄目だということだ。そんなこと、あるだろうか。わたしにできることは大概の人ができるに決まっている。
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