ギフト

5/19
前へ
/19ページ
次へ
『タトエバ、モシ、アナタガソウリダイジンダッタラ、アナタニシカデキナイコト、タクサンアルハズ』 「……総理大臣はひとりだけだからね」 『ハハハ。ナニイッテルンデスカ。アナタダッテ、コノヨニ、ヒトリシカイナイジャナイデスカ』  ……確かに。  でも、総理大臣には特別な使命がある。わたしは、ただのその他大勢。モブでしかない。  わたしにしかできないこと。  本当はそんなものないんじゃないだろうか。こうやって時間を与えて、脱出の希望をもたせながら最終的にゲームオーバーになれば、わたしへのダメージは大きくなる。それが目的? 「質問するからには正解があるんでしょうね?」  一応聞いてみる。 『アリマスヨ。デモ……セイカイハ、ヒトツジャナイ』  正解はひとつじゃない? だったらトンチ的なことなんだろうか。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加