腹黒ピアニストは年上メイドを溺愛する

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「な、なにを言っているのですか! 坊ちゃま! 景子はもう二十歳を超えました」 「うん、そうだな」  僕も機嫌がいい。久しぶりの遠出なのは理由がある。もうあと少しで、僕はフランスへと旅立たなくてはいけない。景子を連れて行きたいところだが、流石にそれは父が許さなかった。だが、離れる前に景子ときちんと心も身体も結ばれて、彼女を僕に縛り付けておきたい。やっぱり初めてのシチュエーションは大事だから、ロマンティックにしたい。 「景子、ここが別荘だ。庭から海に出ることが出来るから、すぐに支度をしろ」 「坊ちゃま、素敵な別荘ですね……」 「あぁ、造りは古いが、有名な建築家によって建てられた家だ。いろいろと工夫があるみたいだけど、終わったら案内する」 「終わったらって、海水浴が終わったらですか?」 「……そうだ」
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