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よそよそしい態度を見せることもしばしばだ。
誕生日に素晴らしい贈り物をして、再び聡介に振り向いてほしい。
私は、もう少しだけネット検索を続けることにした。
「ただいまー」
仕事から帰ってきた聡介は、スマホをリビングの充電器にセットすると、シャワーを浴びにバスルームへと向かった。
私はソファに座って、考え事をしていた。聡介になにをプレゼントしようか、まだ迷っていたのだ。
そのとき、聡介のスマホが鳴りだした。
私の中の悪魔が、そっと小声でささやく。
「聡介のスマホ見ちゃえば……?」と。
聡介はシャワーにだいぶ時間をかけるほうだ。
彼のスマホを見て、元に戻しておけば、わからないだろう。
悪魔のささやきに負けた私は、彼のスマホを手に取った。
暗証番号は知っている。以前、聡介が入力するのを盗み見ていたから。
手が小刻みに震える。かすかな罪悪感を感じながら、ロックを解除する。
やはり見るべきはLINEだろう。
聡介は、いつ誰とどんなやり取りをしているのだろう。
操作する指が、汗でじっとり湿っているのがはっきりとわかった。
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