ジャックと豆の木

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次の日、ジャックは朝早く目覚めた。恐ろしい夢を見たからだ。そして、起きてふと思った。いつも太陽光で目を覚ますのに部屋中が薄暗い。時計を見てみると六時過ぎだった。太陽が出ていても良い時間だ。外を見てみるとそこには緑色の物体があった。驚いて庭に出てみると、それは天高く雲を突き抜けて伸びていた。雲の陰に隠れて金色の何かが見えた。葉っぱだ。ここでようやくジャックはこれは幹だと分かった。幹は緑色だから枝の方がしっくりくる気もするが、太さ、長さともにそう思ったのだ。 家に戻ろうと振り返ると口を大きく開けた叔母さんが突っ立っていた。 「こ、これは噂に聞く金のなる木……」 叔母さんは何かを知っているようだった。昨日とは態度が大違いだ。昨日は機嫌が悪かったのに、今や空へ飛んでいきそうな勢いだ。 「おい、ジャック。上に登って財宝を取ってこい」 ジャックは高所恐怖症なので断った。ジャックは怒られた。叔母さんの事だから無理やり行かさせると思っていたが、自ら登ると言い出した。叔母さんはすいすい幹を登っていく。途中からツタが伸びていたのでそれに乗って休憩しながら上へと向かっていった。叔母さんが見えなくなってから十分程すると上から長い長いロープが降りてきた。叔母さんが家から持ってきた綱引きのロープ五本分だ。昔、叔母さんは体育の教師をしていてその時のロープが残っていたらしい。物置の半分を占めていた。 ジャックは叔母さんに言われた通りロープを自分に結びつけて命綱にした。そして、ジャックは怖がりながら幹を登っていった。休憩しながら進むと二時間程掛かった。雲の上は酸素が薄く呼吸がしにくい。ジャックはロープを幹づたいに辿った。ロープは一つの枝に括りつけられていた。叔母さんはいなかった。先にどこかへ行ってしまったのだろう。ジャックは誤って雲の上に立ってしまった。
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