ジャックと豆の木

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ジャックと豆の木

※この作品は『ジャックと豆の木』をアレンジした作品『【現代版】 ジャックと豆の木』です。 ライトン・ジャックは貧乏な家に生まれた。 ある日、ジャックの親代わりの憎たらしい叔母さんが要らないものがあるなら、問屋でも行ってこい。と言われたのでジャックは家畜の乳が出なくなった牛と、もう着れなくなった服を持って車に乗り込んだ。 五分程走って問屋に着くと自転車に腰掛けてこちらを見ている男がいた。ジャックが車から降りると男は近付いて話し掛けてきた。 「その牛、俺にくれねぇか?」 ジャックはどうしようかと迷い尋ねた。 「この牛は乳が出なくて使い物になりませんけど?」 「良いんだ。それで良い。ただこれを君に渡したくてね」 男は数粒の黄色の豆を手にしていた。どうやら物々交換と言う事らしい。ジャックはお金にしても叔母さんに全て取られてしまうと分かっていたので交換することにした。服は問屋に売った。一文無しで帰ると叔母さんに怒られると思ったからだ。 ジャックが家に帰ると叔母さんは、なんだ、これっぽっちしか無いのかい。と言ってジャックの手からお金だけを取っていった。反対の手にある豆には見向きもしなかった。ジャックはあの男に言われた通りその豆をこじんまりとした庭、と言っても物置が置いてあるだけだが。――に、植えた。ジャックは大した気持ちも無しにその日を終えた。
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