義弟side

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義弟side

俺の母親と亮にぃの父親がお互い子連れ再婚したのが10年前。 俺は6歳、彼が9歳… 『お前が、俊か。亮だよ、よろしくな』 「うん、亮にぃちゃん」 よく面倒を見てくれたんだ。女顔で揶揄われる俺をいつも庇ってくれた。 『泣くな、あいつらはお前が可愛すぎて妬んでるだけだよ』 「そうなの?可愛いなんてイヤだ…カッコいいがいいのに…」 『そうか?俺は好きだよ、俊の可愛い顔』 「ホント?亮にぃちゃんは、俺の顔好き?」 『ああ、大好きだ』 「エヘヘ…俺も亮にぃちゃんのカッコいい顔大好き」 近所でも仲良し兄弟で有名だった。 亮にぃは俺を片時も離さなかった。 なのになぜ? 今では、顔を合わせる事さえ無くなった。 きっかけはあの夜。 両親が結婚記念日だと言って、旅行へ出かけた最初の夜。 母さんが作り置きしてた夕食をふたりで食べ、リビングでテレビを見てた。 ピピピピピ… 『亮にぃ、携帯鳴ってる…ミサ…わぉ、彼女?』 「うるせ、妬くなよ?部屋で電話してくっから風呂済ませとけよ〜」 『うん…』『ミサちゃんか…俺の亮にぃなのにな…何かムカつく』 この頃には何となく…何となくだけど亮にぃに特別な感情を抱いてる事に気づいていた。 だけど、何も言わなくても亮にぃの一番は俺だったから。 俺はモヤモヤを洗い流したくてシャワーを浴びて、ホッと一息付いた。 『俊、出たか?』 「あっ…」 ガチャ 素晴らしく同じタイミングで… 俺は風呂場のドアを、亮にぃは脱衣所のドアを開けそこで…目が合った。 一瞬…時が止まったようにふたりで立ち尽くす。亮にぃの目が俺の頭の先から足の先まで流れるように…流れた。 先に口を開いたのは俺…水が滴る髪をかき上げながら… 「亮…にぃ?」 『…っ…わっ…悪い…早く服着ろ!風邪ひくぞ!』 「え?う…うん…」 亮にぃは、悪い…って言いながら…俺の全裸から視線を外さなかった。 『……俊…っ…』 「亮にぃ?風呂入んの?ごめん…急いで着替えるね…っと…バスタオルは…」 亮にぃは手元にあったバスタオルを黙って広げ、それを俺に巻き付けるように…俺を抱きしめた。
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