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昨今複数のアジトから発見された被害者たちはもれなく『洗脳』されており、彼らのケアがルナでは大きな社会問題になっている。
さすがにキャスリンも事の重大さに気がついたようだ。
公用の端末を手元に引き寄せると、彼女は軽やかにキーを叩く。
「今、発見された被害者リストを照会してる。でも、アリスに該当するような女性は見当たらないけれど」
言いながらキャスリンは改めてジャックに向き直る。
そして、本当にI.ᗷ.に入ったの? と疑問を投げかけた。
──それで、君に聞きたいんだ。……その、サードの処置を強要された時、それらしい人はいなかったかな? ──
かつてキャスリンは惑連を離れていたとき、稼働不能に陥りかけたサード……No.3の処置をするようI.ᗷ.から依頼を受けたことがあった。
その折構成員と接触があったのなら、何らかの手がかりがあるのではないか、というわけだ。
確かにこれは聞きにくい質問だ。
そしてキャスリンは思わず苦笑を浮かべた。
何故なら、彼女の知るアリシア……アリスは、生前のエドワードから見せてもらった画像、すなわち目も開いていない赤ん坊だったのだから。
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