──Ⅰ──

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──自由意志で加入したとしたら、その時点で犯罪者だ──  自分の憶測だが、先方は自分の娘が犯罪者になることが耐えられないんじゃないか。  そう言うジャックに、キャスリンはうなずいて返す。  同時に、ようやく彼も他人(生身の人間)に関心を持つようになったのか、と内心感嘆していた。  しかし、そんなキャスリンの心の内などいざ知らず、ジャックは頭を抱えている。  ふとキャスリンはあることを思いつき、そんなジャックに声をかけた。 「ねえジャック、その写真のデータ、こっちに送ってもらえるかしら? 」 ──……いや、あまりデータとして流出させたくはない。アリスの名誉のためにも──  だからわざわざ紙にプリントしたというわけか。  キャスリンは画面の向こうのジャックに真摯な眼差しを送る。 「別に、ルナの上層に通報しようってわけじゃない。ただこのルナから探すには、私一人じゃ限度もある。そうは思わない? 」 ──……キャス? ──  何事かと言うような視線を向けてくるジャックに、キャスリンは柔らかく微笑む。  そして、自分の考えを告げる。 「もちろん協力する。あの『二人』にも手伝ってもらいましょう」
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