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──自由意志で加入したとしたら、その時点で犯罪者だ──
自分の憶測だが、先方は自分の娘が犯罪者になることが耐えられないんじゃないか。
そう言うジャックに、キャスリンはうなずいて返す。
同時に、ようやく彼も他人(生身の人間)に関心を持つようになったのか、と内心感嘆していた。
しかし、そんなキャスリンの心の内などいざ知らず、ジャックは頭を抱えている。
ふとキャスリンはあることを思いつき、そんなジャックに声をかけた。
「ねえジャック、その写真のデータ、こっちに送ってもらえるかしら? 」
──……いや、あまりデータとして流出させたくはない。アリスの名誉のためにも──
だからわざわざ紙にプリントしたというわけか。
キャスリンは画面の向こうのジャックに真摯な眼差しを送る。
「別に、ルナの上層に通報しようってわけじゃない。ただこのルナから探すには、私一人じゃ限度もある。そうは思わない? 」
──……キャス? ──
何事かと言うような視線を向けてくるジャックに、キャスリンは柔らかく微笑む。
そして、自分の考えを告げる。
「もちろん協力する。あの『二人』にも手伝ってもらいましょう」
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