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ルナはI.B.事実上の崩壊後、表面上は平穏な日々が続いている。
しかしそんな中でも復活の兆候を見逃すまいと目を光らせている存在があった。
その彼らがなぜか突然、医務局への招集を受けた。
目的階へ降下を続けるエレベーターの中、黄暁龍大尉ことNo.18は、腕を組みひたすら首をひねっていた。
「どういうことだ? この間の不具合の調整なら終わったはずなんだが……」
お前が一緒だということは、招集理由は他にありそうだな、とでも言うような視線を受けて、楊香中尉ことNo.17は珍しく真面目だ。
「たしかに妙ね。それとも私達のシステム全体に大規模なバグでも見つかったのかしら」
「だが、それなら直接テラから個々に連絡が来るはずだ」
「つまりは、私達に関する伝達じゃないってこと? 」
わけがわからない、とでも言うように楊香は腕組みする。
そうこうするうちに、静かな振動と共にエレベーターは停止する。
どうやら目的地に着いたようだ。
二人が手をかざすと扉は音もなく開き、目の前には真っ白な空間が広がる。
それを目にするなり、暁龍はまるでテラに来たみたいだな、とうそぶいた。
その空間を進むことしばし、突き当りの扉の前で二人は足を止める。
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