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「目元と耳の形がNo.5少佐殿に似ているように見えますが、血縁の方ですか? 」
概ね彼女の見立てに同意を示し、暁龍はキャスリンに視線を向ける。
当のキャスリンはものの数十秒で正解にたどり着いた楊香に、感心しているようだった。
「……見事ね。そう、彼女はアリシア•ショーン。エドのお嬢さんよ」
その言葉を受けて、カップに伸びかけた暁龍の手が止まる。
心なしか眼鏡越しの視線が鋭さを増したようだった。
「少佐殿の、ですか? ……今は確か、母親と共にルナ在住とか」
彼女が一体どうしたんです、と首を傾げる両者ではあったが、キャスリンから事の顛末を聞かされるとどちらからともなく顔を見合わせていた。
言い難い沈黙が続くこと、しばし。
それを破ったのは暁龍だった。
「それで……具体的に、我々はどうすればいいんでしょうか? 」
その言葉を受けてうなずきながら、楊香が続ける。
「正式な命令ではないですよね。上からは、何も……」
最もな反応である。
困惑しているような両者の前で、キャスリンはわずかに肩をすくめた。
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