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「ええ。だからこれは、私とᒍからの個人的なお願いね。街で似た人を見かけたら教えてほしいの」
「……教える、だけでよろしいんですか? 」
その話が本当ならば、彼女を手がかりにI.B.を本格的に潰すことができるかもしれない。
暁龍はそう言ったが、キャスリンは複雑な表情を浮かべている。
「確かにそうかもしれない。でも、そうすると……」
「ショーン未亡人と少佐殿が悲しみますね」
楊香の言葉に、なるほど、と暁龍はうなずいた。
どうやらその点はキャスリンも同意見らしい。
しかし、それ以外にも理由があるようだった。
「そうね。それに、いかにあなた達でも、単独でI.B.に対峙するのは危険すぎる。だから、無理だけはしないでほしいの」
心底不安げに言うキャスリンを、暁龍は無表情に見つめていたが、ようやく無感動に口を開く。
「確かに我々でも、丸腰で武装集団に殴り込みをかけるのは無謀以外の何物でもありませんね」
では、早急に実行に移します。
そう言うと、暁龍はようやく冷めかけたコーヒーを口許へ運んだ。
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