──Ⅱ──

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 窮地に陥った暁龍を救ったのが、他ならないベスの夫であるエドワードに蘇生手術を施した存在、No.5なのだ。 「はい。幸いにも建物の外部には影響はありませんでしたが。それがどうかしましたか? 」  楊香の言葉に、暁龍は現実に引き戻された。  最近『火事場の馬鹿力』という無駄なプログラムが削除され、システムに余裕ができた分だけ深い思考にはまりがちだ。  今度、アダムス博士に相談したほうが良いかもしれない。  そう結論付けて、暁龍はショーン未亡人の言葉を待った。 「あの事故のニュースで、ほんの一瞬ですが……主人を見た気がして……」  そういえば経過報告のためにプレス関係者の前に出たレディ……No.14の護衛役として少佐が同行したと聞いている。  彼女はその時、確かに伴侶を見たのだ。  そして、その出来事がジャックへ連絡を取るきっかけになったのは明らかだ。  さて、どう説明するか。  悩む暁龍だったが、それは杞憂に終わった。 「でも、あなただったんですね。まさか惑連に、こんなにエドに瓜ふたつな方がいるなんて」  そう、暁龍の生体はエドワードの遺伝子をベースにしている。  そのため、彼の容姿はどことなくNo.5に似ているのだ。
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