ラブリー・フレンドシップ!

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 ***  本当に、これで良かったのだろうか。  ちらちらと、こちらを見ている人達の視線を感じる。それもそのはず――私と寧々と花林の三人だけが、成人式にパーティドレスを着てやってきたのだから。友達の結婚式に着て行ったものだから、三人ともかなり派手なデザインである。  寧々は言ったのだ。 『あたしの着物を貸してあげられたら良かったんだけど、生憎サイズが合わないんだよね。だからさ、こうしない?あたしと花林とあんた、三人でパーティドレス着て成人式に行くんだよ。この間五月っちの結婚式に行った時に着たドレスならあんたも持ってんだろ?あんた一人ならともかく、三人ともドレス姿だってんならそんなに目立つ心配もないって!』 『え、えええ!?』  確かに、友人二人もドレス姿というのは大きく違う。緊張するし目立つのも事実だが、一人だけ浮いていて恥ずかしいなんてことにはならないのだから。寧々なんて堂々としたもので、まったく恥ずかし気もなく風を切って歩くものだから、“良い意味で”注目を浴びているほどである。真っ赤なドレスからすらりと伸びた足とハイヒールが眩しいほどだ。  そして、そんな寧々の提案を二つ返事でOKしてくれたという花林も。ピンクの派手なドレスを堂々と着こなしてそこに立っている。彼女達と比べたら、藍色のドレスの私なんぞ地味な方だろう。  でも。 「……二人は、着られる着物があったのに。巻き込んじゃって、本当にごめん」  彼女達だって、レンタルでないとはいえ今日のために用意していた着物があったはずなのである。それを、私が悪目立ちしないためにと、わざわざ浮くことを承知でパーティドレスで来てくれたのだ。  私がトラブルを相談したせいで、大好きな二人を巻き込んでしまった。それが、申し訳なくてたまらない。 「私、ほんと迷惑かけてばっかりだね。本当に、ごめんね」 「ほら、またそういうこと言う」  寧々は、そんな私の額をこつん、と小突いて言った。 「言っておくけど、あたしはマジで迷惑かけてくるだけのヤツと友達でいようと思うほどお人よしじゃないからね?あんたのこと、尊敬できると思ってるから一緒にいるの」 「え」
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