紅ずきん

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紅ずきん

むかーし、むかーしある所に 『レッド・ローリット・プララリアシュゲット・アーデルファラシャコゼット・オーロラ・ミナッド・ティアルフィー・モロート・ザッハトルテ・ワイン・ユーマール・スノー・ずきん』がいました。 しかし、村の皆んなは名前をいちいち言うのと覚えるのが 大変なので【紅ずきん】と呼ばれていました。 紅ずきんの家は村の外れにありました。 「紅ずきーん、コッチへいらっしゃい」 「何?ママ。今、本を読もうとしてたんだけど……」 「今から、おばあちゃん家に行ってくれない?  ほら、ガレットとワイン用意したからね、早めが良い  のよ。お願い!」 しかし、紅ずきんは断りました。 「えー、ママが行けば?」 そう言うとお母さんは手に持っていた包丁をを思いっきりお肉に刺しました。 「ママはね……これからパパととっても大事な話があるの  よー(圧)ねぇ?そうよねパパ(圧)」 「ひっ、だからママ違うって!」 「あら?ママ友から聞いたわよ?  若い女の人と笑顔で何か喋って渡していたらしいって  ついでに証拠もあるのよ?(圧)」 紅ずきんのお母さんはニッコリ笑いながらお父さんに近づきました。 バギッボキッ お母さんの手からは人とは思えないほど嫌な音が聞こえます。 察した紅ずきんはそそくさとガレットとワインの入ったカゴとリュックサック?を持って外に出ました。 紅ずきんはいつもの見慣れた道を歩いて行きます。 ジーーッ どこからか強烈な視線を感じます。 (また、いつものか……) そう、紅ずきんはストーカーされていました。 これもまた、いつもの事なのでこのストーカーを撒いておばあちゃん家に行きます。 (どうせなら、お花つんでったほうがいいかな? 途中でお花畑あるし……) 紅ずきんは少し寄り道をする事にしました。 「毎回くるけど……綺麗だな」 お花畑には色とりどりのお花がありとても綺麗です。 紅ずきんは上機嫌でお花を摘んでいきます。 お花を摘んでいると、後ろから声が聞こえました。 「や、ヤァ紅ずきんちゃん。君は一体何をしているの?」 その声の持ち主は人狼でした。 紅ずきんは少し警戒しながら喋りました。 「……おばあちゃん家に行くから手土産にガレットとワイン  を持って行こうと思ったんだけど……  それだけじゃ足りない気がしたからお花を摘んで持って  行こうとしているの。」 「へぇ、そうなんだ。君は優しい子だね。」 「一ついいかしら?……  何で私のあだ名知ってんの?」 「そ、それは」 「この辺には村の皆んなも来ない、だから知っているはずがないに知っているなんて明らかに怪しい… こっちに来ないで!!」 紅ずきんはリュックサック?から出した催涙スプレーを 人狼にかけました。 「ぎゃーーーーーーーーーー。  目がぁ目がぁ!」 それどっかで聞いた事あるような? と思った紅ずきんでしたが人狼が痛がっている間に逃げ出しました。 紅ずきんはようやくおばあちゃん家につきました。 そして玄関のドア付近のインターホンを指で押しました。 今の時代、何があるのか分からないので最新の技術を搭載している物を使っているようです。 「孫が来ましたよー。紅ずきんが来ましたよー。」 とインターホンに向かって紅ずきんは喋りました。 しかし、いくら待っても、ドアが開くような気配はしません  「あれ?おかしなぁ、いつもならすぐ来るか、返事して  くれるのに……」 紅ずきんは不信に思いドアノブに手をかけました。 ガチャッ 「ドアが、開いてる…」 紅ずきんは家の中に入って行きました。 「紅ずきんや、久しぶりねぇ、おばあちゃん寂しかったよ」 中には【おばあちゃん】がいました。 「……ねぇ、おばあちゃん何でさっきインターホン出なかっ  たの?」 「それは……今まで寝てたからね。」 確かに【おばあちゃん】はベッドで布団をかぶっております 紅ずきんは気になる事をどんどん質問していきました。 「どうして、おばあちゃんの声…そんなに低いの?  前来た時声は高かったのに?」 「それは風邪をひいてしまって喉がガラガラになってしまったのよ。」 「どうしておばあちゃんの耳はフサフサなの?」 「……耳毛を伸ばしてみたかったからよ」 「どうしておばあちゃんの口はそんなに大きいの?」 「それはね……美味しい食べ物をたべるためさ。」 「ねぇ、【おばあちゃん】。おばあちゃん死んでいるはずなのに何で生きてんの?」 「えっ」 そう紅ずきんが言い終わると【おばあちゃん】から布団が剥がれ落ち 【人狼】が現れました。 「きゃーーーーーーーーーー(棒)」 紅ずきんは大きな声で悲鳴をあげました。 その時です。 「紅ずきん!!!どうしたんだい!?イタタタ」 「赤ずきんちゃん!大丈夫!?」 一人の老人は二階から腰が痛そうに降りてきました。 もう一人の猟師?は壁を突き破って来ました。  そして老人は人狼にローキックを仕掛けました。 「グハッ」 人狼はまともにくらったので気絶してしまいました。 「おじいちゃん!生きてたのね!」 「あぁ、ギックリ腰になってしまったが元気じゃよ。」  「良かった……」 紅ずきんはホットしました。 「紅ずきんや…この男性は誰だい?」   おじいちゃんは猟師?に指をさし質問しました。 「この男はストーカーよ、おじいちゃん。  やっと姿を現してくれたわね。(圧)」 「僕は!ストーカーじゃないよ!赤ずきんちゃん!  僕達は愛し合った仲じゃないか!」 「そうなのか?紅ずきん?」 「んなわけないじゃない、おじいちゃん。  そもそも、初めて今会ったわ。」 「赤ずきんちゃん、恥ずかしいから嘘をつくんだね。  本当は嬉しいんでしょ。」 「これはキモイな……」 いつのまにか起きていた人狼も、ドン引きしています。 「貴方の事は一切好きじゃないわ。  今から貴方を警察に渡します。」 「け、警察!?  どうしてだ!赤ずきんちゃん!僕らは愛を誓い愛し合った  仲じゃないか!……君はニセモノの赤ずきんちゃんだから  そんな事言うんだね…ニセモノは殺さなくちゃ」  猟師は何を思ったのか紅ずきんに銃を突きつけました。 「紅ずきんや早く逃げなさい!」 しかし紅ずきんは逃げません。 「バイバイ……ニセモノ君」 そう言って猟師が銃の引き金を引こうとしました。 「紅ずきん!」 人狼が前に出て紅ずきんを庇おうとしました が バギィッ  「えっ」 紅ずきんの手によって銃は粉々にぶっ壊されてしまいました 「ひぃっ!!」 猟師は逃げ惑いました。なんせあちらは武器を持たずに素手で銃を壊したのですから、怖がるのもしょうがないです。 逃げ惑う、猟師に紅ずきんは近づいて行きます。 「ねぇ……何で私が【赤ずきん】じゃなく【紅ずきん】 って呼ばれていると思う?」 「?」  猟師は全然分かりませんでした。 「それはね…私が今プロレスで言われている無敵のワインレッドだからだよ!!」 紅ずきんは猟師の体を一気に持ち上げジャーマンスープレックスをしました。 ゴッ 見事に技がかかり猟師は気絶しました。 「さすが、ワシの孫じゃと言いたいが  ……まさか孫までプロレスやっていたとわな……」 そうなのです。紅ずきんのお母さんもおじいちゃん二人共 元プロレス王者なのです。 「おじいちゃん!今のうちに縛っておくから、おじいちゃんは警察によろしくね!」 「ああ、わかったよ紅ずきん。」 おじいちゃんは電話をかけに紅ずきんは猟師を縛りました。 「……さっきはありがとう。」 紅ずきんは人狼にお礼を言いました。 「えっ」 「その庇ってくれて……嬉しかった。」 「うんうん、全然大丈夫だよ、気にしないで…… それに君だって僕を助けてくれたじゃないか。」 「助けた覚えないんだけど……」 紅ずきんは考えこみます。 「今から5年前君がお花畑に初めて来た時狼がいて、  その狼は怪我をしていて君はその狼を助けてくれた。  その時助けられた狼が僕なんだ。」 「じゃあ……何であの時挙動不審だったの?」 「それは……」 人狼は頬をかきました。 「僕あの時君の事が好きになってしまって…… 君の事何年もずっと探していたんだけど会う事なくて  やっと会えたらあの時より、更に綺麗になっていたから  その緊張してしまったから……」 「そっか、じゃあ、私を殺そうと思った訳じゃないのね。」 「もちろんだよ!好きな人兼命の恩人を何で殺そうと思うの逆に!」 「あと、何で家の中に入っていたの…」 「あー、それはね。」 僕が君を探しに追いかけてた時 「ギャーーッ」 って叫び声が聞こえて…… 誰か怪我したんじゃないかと心配で声のした方に歩いて行ったら、ここに家があって、そしたらその家の前で【おばあさん】が倒れてて痛すぎて気絶?した感じだったから、少しでも良くなって貰おうと家の中に運ぼうとしたら玄関ドアが開いてて、【おばあさん】を助けなきゃと思ってたから、鍵閉めるの忘れてて…… おじいさんを二階のベッドに運んだら君がインターホンを鳴らしてきて…… それで僕考えたんだ。これ不法侵入で訴えられるんじゃって 捕まりたくないからその辺にあった服を借りてやり過ごそうとしたら……このような事になったんだよ。 その時また、僕、おばあちゃん家って君が言っていたからあの老人が【おばあちゃん】なのかとてっきり思ってたけどね。 「それは、元々おばあちゃん家だったんだけど六十年前の山火事でおじいちゃん家なくなって、偶然、山火事の被害を受けてないおばあちゃん家に住む事に二人はなってその間仲良くなって結婚したらしいよ。  ……おじいちゃんにとってはここはおばあちゃんが残したおばあちゃんの大切な家だから【おばあちゃん家なのよ】」 「そっか、そう言う事何だね。」 「紅ずきんや警察のみなさんがきたぞ!」 「はーい」 紅ずきんはおじいちゃんに呼ばれ玄関の方にかけて行きました。人狼もついて行きます。 「被害者の方お怪我はありませんか?」 「ない…です。早くその不審者を連れて行って下さい。」 「はい、そうですね。では私はこれで」 警察は猟師に手錠をかけパトカーに乗せて帰って行きました。 「ふぅー、これで私の平和が取り戻されるわね。」 「あの、紅ずきん……その僕とまた会ってくれるかな?」 「何言ってんの?」 「そうだよね…僕何かだめだよね。」  「いやそうじゃなくて、私達(友達)だから何回でも会いにくるしってか、一緒に遊びたいと思っていたけど…… アナタはそうじゃないの?」 「全然!むしろとても嬉しいよ!」 人狼は本当に嬉しいそうにブンブン尻尾を振ります。 プルルルッ 紅ずきんのリュックサックから音が聞こえます。 「あっ、スマホ入れてたんだ。」 電話をかけて来たのはお父さんでした。 「紅ずきん大丈夫!?」 「うん、大丈夫。それよりパパ生きてる?」 「全然大丈夫だよ。むしろママの誤解が解けてラブラブだよ。」 「……何誤解されてたの?」 紅ずきんは少しスルーしました。 「いや、今日結婚記念日だからママにプレゼント買おうとして、何を買ったら良いのか迷っていたら店員さんに話かけられて、相談に乗ってもらったんだよ。そしてプレゼントを買った瞬間を写真で撮られたみたいでね。  それで誤解されちゃったみたいだよ。」 「なーんだ、浮気じゃないんだ。」  「僕はママ一筋だからね!  紅ずきん今日はごちそうだから早く帰って来た方いいよ!」 「はーい」 ブッ 「じゃ、また今度一緒に遊ぼうね、人狼君」 「うん、紅ずきん気をつけて帰ってねぇ。」 二人はそれぞれ、自分達の家に帰って行ったそうです。 そして、その後二人は紅ずきんいる所に人狼ありと言われるほど仲良くなったそうです。 おしまい。 「ワシ、最後空気だったよね。」
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