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純愛と狂気は紙一重
『これで、すべて揃った』
すべての黒幕である彼女は、ほくそ笑む。
すべての“狂気”を集めるには、人間の狂気だけじゃなく花と契約し、やがて呪いにより黒く染まった花の“狂気”が必要だったのだ。
そのために、暗躍し、関わった者らに関する記憶を消し、記憶を残した者や思い出した者を戦わせたのだ。
黒い花たちを束ね、彼女は呪文を唱える。
薔薇の君が目を覚したそのとき、彼女自身も稲妻に打たれ薔薇の君と共に絶命した。
『ああ、愛しき薔薇の君とこれからはずっと一緒にいられてるなんて、私は幸せ者だよ』
薔薇の君を抱きしめながら、彼女は愛おしそうにつぶやいた。
彼女のそばには、一本のクロユリがそっと寄り添うように咲いていた。
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